さがしもの

磨硝子(すりがらす)の向こう側
焦点を合わせず みつめる
なんだか とても たいせつなものが
そこにはあるように思えて

像を結ばせずに みつめたほうが
その ほんとう に
近づける気がして。

僕はぼんやりと暮らしているけれど、
なにもかにもを 諦めたわけじゃないよ

風の音に おびえる 朝も
雨の色に そまる 夜も

その奥のほう ずっとずっと奥にある
やさしい 飴色の ほんとうを
探すために。

#詩 #さがしもの #おいてけぼりの国