
行ってよかった南アフリカ旅〜スペシャルでラッキーでハッピーな10日間②
ヴィクトリア・フォールズ
ナイアガラ、イグアスと並ぶ世界三大滝の一つであるヴィクトリアの滝を4つの場所から眺めた。イギリス人探検家リビングストンが発見した滝で、女王に捧げるとつけた名前だ。イギリスの植民地になり町の名前にもなった。ホテルも古いイギリス洋式で整えられている。ここはアフリカなのか?と思うが、部屋の天蓋付きベッドとシーリングファンと鳥の鳴き声はボツワナのチョベと同じだった。洗面台は標準の高さで鏡に顔が映ってホッとしたが。
まずは、ジンバブエとザンビアの国境となっているザンベジ川を船でクルーズした。全長1700mと横に長く、落差も108mある滝の始まり(上にあたる)を遠くから眺めたのだが、白煙が見えるのみで滝の全体像を想像する事はできなかった。
翌日、ジンバブエ側から滝の横道を歩いてようやくその壮大さがわかった。滝の端から端まで1時間程かけて歩くのだが、全部で16ヶ所ものビューポイントがあった。ポイントごとに水しぶきを浴びながら滝を眺めるのだ。ラッキーな事に滝と共に綺麗な虹がその都度現れるのだった。
次にザンビア側からザンベジ川沿いに歩きながら眺めた。滝のすぐそばを歩くので水しぶきを常時浴び続ける。最後の方で細い橋を渡ったが、下を流れる川の水が跳ね返り滝の上からも下からも水しぶきを浴びる。レインコートを着ていてもなぜか頭から靴までずぶ濡れになった。これ程の水の量は珍しいそうだ。スリル満点で虹も見えて本当にラッキーだった。2つの国から眺めた滝はそれぞれ異なる様相で、面倒な出国と入国の手続きを繰り返す意味があったのだった。そしていつの間にか濡れた衣服は自然に乾いていた。
最後はヘリコプターに乗って上空から眺めた。滝の上空を八の字に2周するのだが、水煙を上げて落ちる白い水のすじを時折りきらめく虹と共に見下ろす。テレビ画面で見るような情景が眼下で繰り広げられた興奮は一生忘れない。壮大な世界遺産を目の当たりにしたスペシャルな1日だった。

ケープタウン
ビクトリアフォールズの興奮が少しおさまった翌日、南アフリカのヨハネスブルグを経由してケープタウンへ向かった。これまでとは違って高層ビルも見えて車の渋滞もあり都会だった。ホテルは設備が充実していて、部屋の窓からテーブルマウンテンというケープタウンを代表するテーブルのように平らで横に長い山が見えた。翌朝テーブルマウンテンの頂上へ行くロープウェイ乗り場で、山の上にかかる雲を見た。満杯に注いだビールの泡がグラスから流れ落ちるように、上から下へゆっくり流れているのだ。ケープタウンはとにかく風が強い町で、ロープウェイは強風だと動かない。朝は乗る事が出来なかったが、ラッキーな事に夕方の最終便に乗ることができた。頂上へ着くと、あまりの強風に身動きが出来ない程だった。地球の南端で両側を海に囲まれた半島では、この強風が山をも削ったのだという自然の摂理を肌で感じたのだった。

ケープタウンといえばペンギンだ。ボルダーズビーチには定住した野生のケープペンギンがたくさん集まっていた。ここも風が強いため、喋ると砂浜の砂が口に入る。寝そべったり立ったまま動きの少ないケープペンギン達だが、とにかく可愛い。歩く姿はさらに可愛い。なんとか風に耐えながら可愛い姿を静かに薄目で鑑賞したのでした。

ケープタウンと言えば喜望峰だ。南アフリカ旅行を決断したのも、一生に一度はこの地を見てみたいと思ったからだった。風に吹かれながら展望台から見下ろす。大西洋とインド洋が交わる南端の海は想像していたより穏やかなのでした。

最終日はカーステンボッシュ植物園へ行った。植物園と言っても建物は入口の一部分だけで、テーブルマウンテンの広大な斜面を自然のまま解放した公園なのだ。キングプロテアという南アフリカの国花でもある花は5分咲きだったが、その他にも可愛い花や木々が澄んだ空気の中で陽の光に輝いていた。自宅マンションの入口に植えられた紫の花が、南アフリカ原産のアガパンサスだとわかり、ここでも接点を見つけて少し嬉しかった。
旅の締めくくりは2ヶ所のワイナリーでワインの試飲をした。南アフリカのワインはあまり知られてないが赤も白も美味しかった。ぶどう畑を横目に緑に囲まれた青空の下でワインを飲んで、最高にハッピーな気分だった。奥さまが日本人というワイナリーでは、購入して持ち帰るのは困難なので日本へ帰って通販サイトを利用すればいいとの事。帰国後の楽しみまでプラスされたのだった。
散々悩んで参加した南アフリカ旅行だったが、行ってよかったの一言につきる。24時間は遠かったけれど、スペシャルな体験ができてラッキーの連続で、とにかくハッピーな旅だった。悩んでも一歩踏み出してみることが大事なのだと強く思ったのでした。