日比野には逃げ場がなかった。帰省のために乗った高速深夜バス。
隣の男が肩にもたれてきて、いびきをかきはじめた。前の座席からはヘッドフォンの音漏れ、後ろのカップルはイチャついていた。
「俺はもう星空に帰省する!」
窓から飛び立とうとした…が数cmしか開かない。夜風もうるさく生暖かい
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矢口れんと
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