食器用洗剤のTVOC(総揮発性有機化合物)を測定してみた。
私は空気質測定器で各所のHCHO,TVOCを測定していたりするんですが、割と最近気づいたことがあります。
それは『匂いを強く感じる場所ではTVOCの数値も上がっていることが多い』ということ。まあ、当たり前なのかもしれませんが。
それで、身の周りの物を測定したところ、やはりそのような傾向はありました。特に気になったのは食器用洗剤。
今回の記事ではそのあたりをまとめてみようと思います。
◆測定してみた
以下、TVOCが上昇したものです。
精油(匂い:やや強め・TVOC:低め)
洗濯用洗剤(匂い:やや弱め・TVOC:低め)
食器用洗剤(匂い:やや強め・TVOC:最大)
食器用洗剤は以下のように測定器がカンストしてしまいました。
(【HCHO:4.71mg/m3, TVOC:5.00mg/m3】これ以上数値が上昇しません。)
測定方法は『ビニール袋に3滴入れて測定器と密閉する』としたため、あまり定量的な測定方法ではありません。
そのため、この結果に問題があるのかどうかは不明です。
普通の使い方なら問題は無いということでしょうけどね。
なお、使用している測定器はアルコールでもHCHO,TVOCが上昇するため、結果への評価は注意が必要です。(誤検出または無害なTVOC(なんだそりゃ)の可能性がある。)
◆洗剤の影響
もともと『柔軟剤の匂いが強烈』という実感はありましたが、匂いが強いものはTVOCも高そうですね。(憶測)
で、私みたいに洗剤類のTVOCを測定してる人がいるか探したんですが、見つからず。
ただ、noteで検索したら面白い記事を見つけました。
ざっくりと以下のような内容です。
食品加工業
会社内で匂いによる体調不良の問題が発生
会社代表が解決に乗り出す
柔軟剤を疑うが解決せず
無香料の洗濯用洗剤への変更でほぼ解決
迷惑になるといけないのでリンクは貼りませんが『柔軟剤』でnote内検索をすると人気記事のトップに表示されます。(2023.05.30現在)
人の匂いを注意することの難しさなども語られており、色々と参考になりました。
記事では『特定のメーカーの洗剤に問題がある』というところまで突き止めています。すごいですね。
そして、やはり匂いにより健康被害が生じていたようです。
TVOCの測定もやって欲しかったところ。残念。
なお、シェディング的な観点からも興味深い内容ではありましたが、今回の記事ではそれについて触れません。
◆特定のメーカーに何かあるのか?
上の記事ではメーカーに言及されていないですが、個人的な憶測では『あそこだろう』みたいなのはあります。私が測定した食器用洗剤もそこでしたし。
ちなみに、測定した食器用洗剤の成分を調べたところ、以下でした。
水(工程剤)
アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(界面活性剤)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(界面活性剤)
アルキルグリコシド(界面活性剤)
クメンスルホン酸ナトリウム(安定化剤)
アルキルアミンオキシド(界面活性剤)
エチルアルコール(粘度調整剤)
クエン酸三ナトリウム二水和物(安定化剤)
塩化マグネシウム(安定化剤 (Electrolyte))
香料(香料)
クエン酸(pH調整剤)
防腐剤(防腐剤)
水酸化ナトリウム(pH調整剤)
着色剤(着色剤)
うーん。わからん。
この中のどれが怪しい、ってのはさすがに素人では難しいですね。
ってか、こんなに色々と使ってる必要あんのかよ!って思いました。
『香料、防腐剤、着色剤』とか成分不明で怪しいし。
こんなんでいいのだろうか?
◆食器用洗剤の香りについて考える
香害への意識から洗濯用洗剤については見直していましたが、食器用洗剤もなかなか問題がありそうです。
今まで特にこだわりなく店頭に並んでいるものをテキトーに買ってました。
しかし、あらためて考えると『食器を洗ってるときに香りがする』というメリットは、その他のデメリットと比較するなら本当にいらないですね。
匂いの害だけでもなく環境(水)への影響も考えると、成分については厳しい規制があってもいいのではないだろうかと思えます。
◆おわりに
以前の記事で『柔軟剤のマイクロカプセル』について触れましたが、さすがに食器用洗剤でそれが含まれている可能性は無いだろうと思います。食器に匂いが残留したら売れないでしょうし。
とはいえ、TVOCがかなり高い数値を示したのは気になるところ。
私個人として直ちに害を受けているわけでもないですが、こういうのは蓄積され化学物質過敏症を発症する可能性があります。
というわけで、そのうち無香料のやつを使ってTVOCの数値確認をしたいと思いまーす。
皆さんもお気をつけて!