新型コロナ以後、度々話題になる帯状疱疹。
コロナ感染やワクチン接種で発症しやすくなる、といった説を見たが、実際コロナ後に増えているのか気になったので確認してみた。
結果として2022年までのデータしか確認できなかったものの、そのような傾向は見られなかった。しかし、比較的『夏に多い』という傾向を知ったので記事にしておく。
◆2024年、最近の状況
最近のネット記事から関連情報を引用する。
◆年次統計データ
帯状疱疹の統計を探すと『宮崎スタディ』というものに当たる。なんでも帯状疱疹に関する世界最大規模の疫学調査とのこと。関連記事からグラフのみ引用する。
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高齢化と共に発症者数は増えているのだろう。
(全国のデータではないので注意)
コロナの影響としては、2020年はともかく2021,22年が低い水準で怪しい。『免疫機能低下によるウイルスの再活性化で発症』という前提で考えて、なぜこのような結果なのか。謎だ。
自粛や受診控えの影響だとすると2020年が大きく影響を受けていそうな気がするが、そうでもないのは興味深い。
◆季節性
月次推移はちょっと古いが以下の資料から一部引用する。これによると冬に少なく夏(7月-10月)がピーク。
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2017/201706007A.pdf
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帯状疱疹の季節性については諸説ありそうだが、以下の論文では夏にピークとなることや紫外線との関連を示唆している。
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季節性や紫外線の影響についてはまだ定説というほどのものでもないようだ。
日本ではそのような傾向が見られるものの、インフルエンザ等とは異なり1年中それなりの水準で、年間全体での差は15%程度。緩い季節性という感じだろうか。
◆おわりに
ということで、夏に発症リスクが高い、といってもそこまで大きな差はない。また、コロナ感染やワクチン接種の影響は見られず、むしろコロナ前の推移からすると減少傾向であった。
ちなみに私は過去に1度発症したことがあるが『ピリピリした感じ』が独特だったので、次発症しても結構すぐにピンとくる気がする。
放っておくとヤバそうなので、怪しいピリピリ感があったら早めに皮膚科で見てもらうことをオススメする。