最近の感染症の増加は『感染対策による免疫力低下』によるものなのか?
ここ最近の日本では新型コロナ第9波の気配が見られたり、インフルエンザ、RSウイルス等、感染症の怪しい動向・増加が見られているっぽいです。
そして、コロナの5類移行も踏まえて、タイトル(感染対策による免疫力低下)のような影響を示唆する専門家の記事もありました。
ということで、最近の感染症の動向についてちょっと確認してみました。
◆専門家の見解
まずは専門家の見解を抜粋します。
リンクは以下です。
◆流行状況の比較
直近の感染症の流行は怪しい動向なのか?
ここ数年のインフルエンザ、RSウイルス、ヘルパンギーナの流行状況をグラフで確認します。
なお、グラフ画像の出典はすべて国立感染症研究所で[2023.06.19]のものです。(リンクは以下)
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参考に新型コロナのデータです。
国立感染症研究所に該当するデータが無さそうでしたので、厚労省のデータからエクセルにコピペして適当にグラフ化しました。
◆所感
インフルエンザとヘルパンギーナについてはコロナ期間(2020-2022)に明らかな低下が見られました。
しかし、RSウイルスについてはそうでもありません。
2020年のデータだと流行はなかったようですが、2021,2022に関しては例年通りかここ数年で最大の規模となっています。
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感染力を実数(定点当たり報告数ですが)で比較すると、インフルエンザが圧倒的でRSウイルスとヘルパンギーナが同等くらいでしょうか。
それを考えると『インフルエンザをほぼ完封出来ていたのに、なぜRSウイルスが 2021-2022 に流行したのか』という謎があります。
インフルエンザの激減が感染対策の影響によるものなら、RSウイルスも大幅に低下するのが自然だと思えます。(そんな簡単なものではないんでしょうけどね。)
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ちょっと考えてみましたが、ウイルス干渉(交差免疫)の影響はどうでしょう。
新型コロナの流行による他の感染症を抑制する力が『インフルエンザ > ヘルパンギーナ > RSウイルス』ということなのかもしれない。
この仮説を適用するなら、新型コロナのピーク(第8波)が落ち着くと共に、他の感染症のリスクが増加したという妄想は出来るでしょう。
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ちなみに、2023年の新型コロナの5類移行は『5/8(19週目)』からなので、インフルエンザを除いてはそのタイミングでの変化が一目瞭然ですね。出来すぎ。
これは感染対策緩和の影響もあると考えるべきか。
といっても、一斉にマスクを外してた感じはなかったので、ここまで劇的に変わってることの要因とも思えないんですけど。どうなんでしょうかね。
◆おわりに
感染症の怪しい動向については時期的なもの(ズレ)であって、まだ『例年に比べて感染者が大幅に増加した』というわけではありません。
そのような意味で、免疫力低下に言及するのは早計なように思います。
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ちなみに。
仮に『感染対策の影響により免疫力低下が起こった』として、感染対策をするべきではなかったのか?
そのような評価は不可能だと思いますが、単純に『新型コロナ+その他感染症も例年通りの流行』がここ2,3年あったのだとしたら、医療従事者の方々の疲弊はもっと悲惨なものになっていただろうと想像します。
ということで、私はまだしばらく感染対策を続けますよ。
原因はともかく、今年の夏はそのようになる可能性が見えているように思えますので。