鼻腔は微粒子をどれくらい捕捉するのだろうか。
前回の記事でマイクロプラスチックの吸入について以下のように書いた。
『大きなものはほとんどが鼻腔で捕捉される』
過去にそんなデータを見た記憶があったので書いたのだが、今回の記事で念のため根拠を示しておこうと思う。
◆論文引用
該当論文から要旨のみ引用する。後で引用する図がわかりやすいので、お時間の無いかたは飛ばしてもOK。リンクは以下。
◆まとめと所感
論文ではヒトの鼻腔がどれくらい微粒子を捕捉(沈着)しているのか、過去の文献からまとめている。以下の図がわかりやすかった。
(Deposition Efficiency:沈着効率)
結果は諸条件により異なるようだが、大雑把には上のような認識で良いかと思う。
粒子サイズによりグラフがわかれており、上が『μm』、下が『nm』。
線は流量(L/min)の違いで3パターン。横軸が粒子径。縦軸が沈着効率。
粒子径が大きい場合、流量が高いほど沈着率が高くなる。これは慣性による沈着が影響しているとされている。粒子径が50μmを超えるような場合、ほぼ100%捕集・沈着するようだ。スゴイ。
粒子径が小さい場合、その逆。拡散(ブラウン運動等)による沈着が影響しているとされている。1nmでは60%以上。これもスゴイ。
◇◇◇
ちなみに、微粒子状物質のサイズ感はざっくりと以下。
花粉:30μm
ウイルス:100nm(0.1μm)
ニオイ分子:1nm(0.001μm)
で、ヒトの呼吸流量として『4L/min』は低すぎ最低でも『10L/min』かと思うが、その場合、花粉程度の大きさは95%以上鼻腔内で捕捉出来てそう。(ただし吸引の最初と終わりは流量が低いのでその際にスルーされる場合はありそう。)
ウイルスくらいの大きさは残念ながら20%未満。
ニオイ分子は『15L/min』でも60%以上捕捉!
と言っても、空間中のニオイ成分が分子サイズのままなのかどうかは、また別のハナシであり注意が必要だろう。
◆おわりに
以上、冒頭で書いた以下はわりと正しいようだ。
『大きなものはほとんどが鼻腔で捕捉される』
鼻腔は花粉程度の微粒子の多くを捕捉(沈着)している。マイクロプラスチックも同様だろう。
それらは放っておいてもハナクソとして排出されるのだろうが、やはり私は鼻うがいをオススメしたい。花粉症の人には特に。
ということで、試してみるなら個人的にはニールメッドがオススメでーす。
(実店舗にも置いてる所が結構あります。)