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不眠症と鍼灸(耳鍼)または耳もみ

私は不眠症だ。
発症から現在まで2年以上続いておりコロナ後遺症を軽く疑っている。感染した自覚はないが。

コロナ後遺症(long COVID)は様々な神経症状と関連しているが、そのひとつとして不眠症はよく知られている。しかし、そのメカニズムや治療方法はまだあまり明らかになっていない。

今回、コロナ感染を契機とする不眠症の治療として鍼灸(耳鍼)が取り上げられていた論文を見たので翻訳引用する。

コロナ関係なく睡眠障害にお悩みの方は参考にしてもいいかもしれない。


◆論文引用

論文からAbstractと重要箇所を翻訳引用する。
内容は所感で軽くまとめるので快眠の方は飛ばしてもいいだろう。
リンクは以下。

Front Neurol. 2023; 14: 1239385.
Published online 2023 Sep 22. doi: 10.3389/fneur.2023.1239385

COVID-19に伴う持続性不眠と不安に対する耳介鍼治療:症例報告

要旨

コロナウイルス疾患2019(COVID-19)は様々な精神症状と関連している。我々は、COVID-19に関連した持続性不眠症と不安症と診断された女性患者の症例を報告し、耳介鍼の9回の治療により治療に成功した。この症例報告は、COVID-19に関連する持続性不眠症と不安症に対する潜在的治療法としての耳介鍼治療のさらなる研究を支持する予備的証拠を提供するものである。

2. 症例報告

55歳の女性が、5ヵ月間不眠を訴え、入眠困難と夜間覚醒の頻発を特徴とし、気分不快と日中の疲労感を伴って当鍼灸院を受診した。時系列によると、彼女は2022年6月にCOVID-19と診断され、中国の政策により隔離されていた。5日後、彼女は睡眠障害と不安を発症し始めた。睡眠障害は主に入眠障害と頻繁な夜間覚醒であり、不安症状は主に心配、恐怖、焦燥感、不安のコントロール困難、動悸などの身体症状であった。COVID-19から核酸検査陰性で回復し、隔離期間が終了したにもかかわらず、彼女の不眠と不安は持続した。

2.1. 鍼治療プロトコル

入院時、睡眠状態は不眠症重症度指数(ISI)尺度を用いて定量的に評価され、23点が重度の不眠症を示した。さらに、ハミルトン不安尺度(HAMA)により不安が評価され、28点が中等度から重度の不安の重症度を示した。鍼治療プロトコールが開始され、4つの耳介のツボ(図1に示すように)、神門(TF4)、心臓(CO15)、交感神経(AH6a)、ゼロ点をターゲットとした。4つの耳ツボの解剖学的位置は表1に要約されている。鍼灸師はこれらのツボに半永久的な押し鍼を両側から刺し、48時間放置した後、次のセッションで鍼を抜き、再び刺した。

半永久的な押圧鍼を使用することで、ツボを継続的に刺激することができ、治療効果を長時間持続させることができた。さらに、この鍼療法は、毎日の通院が不要で、従来の鍼療法のような恐怖心を避けることができるため、患者にとって利便性と快適性の利点がある。

2.2. 結果測定

鍼治療期間中、患者は18日間にわたり合計9回の鍼治療を受けた。ISIとHAMAの経時変化を図2に示す。

1回目のセッション後、患者は睡眠潜時 時間の中程度の改善(以前の2~2.5時間から1時間へ)を 報告したが、依然として夜間の頻繁な覚醒と日中の衰弱に 苦しんでいた。3回のセッション後、ISIスコアは当初の23から18に減少し、HAMAも減少した(28から23)。

6回目のセッションが終わるころには、彼女の不眠症状と不安症状は顕著に改善し続けていた。患者がつけていた診療日誌によると、彼女はおおむね0.5時間以内に眠りにつくようになり、夜間の覚醒回数が有意に減少した(おおむね2回以下)。量的測定でも、ISIスコアが14(軽度の不眠を示す)に、HAMAスコアが19(軽度から中等度の不安の重症度を示す)に減少し、両スケールで有意な改善がみられた。さらに、彼女は日中に活力を感じるようになった。

合計9回の鍼治療セッションを終えた後、彼女の睡眠の質と不安の両方は、両方の尺度の有意な減少(ISI:臨床的に有意な不眠症なしを示す6点、HAMA:軽度の不安を示す9点)によって裏付けられ、前の週に正常に戻った。その後、十分な効果が得られたため、鍼治療を中止した。6ヵ月後の追跡調査では、精神障害の再発はみられなかった。

Auricular acupuncture for persistent insomnia and anxiety associated with COVID-19: a case report - PMC
[2023.10.24 引用]
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10560090/

◆所感

18日間の施術結果として明らかな改善を示し6か月再発もなかった、としている。

しかし、研究はいわゆる『N=1』だ。
対象サンプル1例。

論文ではそれにも言及されていたが、手段と評価方法はしっかりしてるので、今後の大きな研究へ繋がることを期待しているということだろう。

◇◇◇

施術内容としては『半永久的(semi-permanent)な押し鍼』を48時間のセッションごとに耳の4箇所に刺し直している。つまり、治療期間とされる18日間はほぼ常に鍼が刺さっていたということだ。

私は鍼に詳しくないが、これって普通のやつなんだろうか…。
と思い調べてみたら『ASP耳鍼療法』というのが似たような感じか。
日本でも同じようなことは出来るかもしれない。

◇◇◇

なお、耳鍼をざっくりと調べたら、完全な東洋医学といったものでもなく、フランスのDr.Paul Nogierが20世紀に体系化したと言われているようだ。

その後、アメリカの軍医により名づけられた『BFA(Battlefield Acupuncture・戦場鍼)』という疼痛軽減を目的とした耳鍼療法が注目されている。

前述した『ASP耳鍼療法』もその流れを汲むもののようだ。


◆耳もみ

とはいえ、いきなり耳に鍼は怖いので『つぼ押しくらいでどうだろう』と考え検索したところ、そのような情報が山ほど出てきた。

リンクは貼らないが不眠に耳のマッサージは結構メジャーのようだ。

私の不眠は自律神経の不調(副交感神経の調整機能の問題)だと推測しているので、地道にやれば効果があるかもしれない。

◇◇◇

ちなみに以前、頭痛の記事を書いた際にコメントで『耳もみ』を教えていただいたことがある。(紹介してくれた方、ありがとう!)

その後、頭痛の際に適当に耳をマッサージしたところ、10段階中4くらいのやつが1くらいに速攻で低下した経験がある。

まだ1回しか実績が無く偶然かもしれないため、再び頭痛が起きるのを待っている。


◆おわりに

ということで、私は耳鍼の前に耳もみを試すことにする。

ちょっとした隙間時間で適当に出来る耳もみは、面倒くさがりの私にとってありがたい。

本気で習慣化を試みるので、結果はどうあれ1ヵ月後くらいに記事にする予定だ。

お楽しみに。

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