直近の記事で室内環境中のホルムアルデヒドについて測定結果をまとめました。
結果は良いものではありませんでしたが、気になるのは『案外それが普通だったりして!』ということ。そういう観点は必要だと思います。
その比較のため、日本のスーパー等室内環境での『正常時のホルムアルデヒド濃度(実績)』が知りたいのですが、なかなかそのような資料がみつかりません。
それを調べている中で、ホルムアルデヒドやTVOCの濃度・毒性について参考になる論文を見ましたので今回記事にしておきたいと思います。理解を深めたい方はどうぞ。
◆空気中の有害化学物質への美容師の職業的曝露
論文から抜粋引用しますが、長いです。
引用のあとに要点を軽くまとめるので面倒な人は飛ばしてください。
全文読みたい方は以下リンクからどうぞ。
◆まとめ
論文中でEUの基準値が記載されていますが、以下のような感じです。
<ホルムアルデヒドの職業暴露限界(OEL)>
・15 分間の平均濃度に基づく短時間暴露限界(STEL):740μg/m3
・8 時間の時間加重平均濃度(TWA):370μg/m3
上記は私の測定器に単位を合わせると以下です。
・STEL:0.74mg/m3
・TWA:0.37mg/m3
日本における室内濃度指針値は0.1mg/m3とされていますが、それよりも全然高いです。日本でもOELのようなものがありそうな気がしますね。
論文を読む限り縮毛矯正時のリスクが明らかに高く、OEL(STEL)を軽く超えている感じです。その他、一般的な施術時は概ねOELをクリアしているようですね。
◆所感
私は多数のスーパー等を測定しましたが、中央値を大雑把に考えると0.2-0.3mg/m3くらいの感じはありました。
数値として高い印象でしたが、EUのTWAで考えると、そのような場所で働いている方もセーフの可能性があります。(OELが業種ごとに決められているのでなければ。)
もしや、私の測定値程度なら問題ではないのだろうか?
それならそれで、あの指針値(0.1mg/m3)は何なんだよ、とか、発生源は何なんだよ、とか気になるところですが。
とはいえ、TVOCの健康被害については以下のような記載もあります。
『VOCによる主な潜在的健康影響には、急性・慢性呼吸器障害、アレルギー、神経毒性、肝臓・腎臓への障害、生殖器への影響、発がん性などがある[56]。』
私の測定では同時にTVOCも高い数値を示していました。
ストレスにならない程度に回避する意識は必要だと私は思います。
◆おわりに
私は縮毛矯正したうえ金色に髪を染めスプレーで逆立てているのですが(嘘)、ヘアケアでこれほどのリスクが発生しているとは知りませんでした。
一時期はカラーを店に頼んでいたこともあります。今も定期的に美容室に行きノーマスクでカットのみやってもらってますが、これまで健康被害は自覚したことがないように思えます。人の少ない開店直後に予約することが多いんで、そのせいかもしれませんが。
にしても、今回の記事で実態を知ってしまったので、次に行ったときは微妙な体調不良を自覚してしまいそうです。(知らなきゃよかった?)
空気が澱んでそうなら換気をお願いしたり、換気意識が高い店を選ぶのが良いかもしれません。
皆さんもお気をつけて!