あのクズを殴ってやりたいんだ 9話 感想
9話の大きな見どころは3つありました。
①佐藤ほこ美(奈緒)が大葉(小関裕太)から告白され保留していたが、
感謝の気持ちを伝えた上できっぱり断った。
8話のラストで海里(玉森裕太)から神社で待ってるというラインを受け取り、海里の気持ちを確信し、自分の気持ちに従って答えを出したと思います。
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②海里の邪魔を裏で画策していた人物がルームメイトで弟分の相澤悟(倉悠貴)だと海里が知り、
悟から自分は海里がボクシングの試合で死なせてしまった平山大地の弟だと告げられ、「あんたが死ねば良かった」と言われて絶望する。
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③絶望した海里は大葉にほこ美を託し(大葉からは俺じゃだめだと断られるが)、
ほこ美にお守りの月のネックレスをあげて抱きしめて去って行く。
♥️✨♥️✨♥️✨♥️
このドラマのヒロインはほこ美ではなく海里だと考えるとすっきりします。
ほこ美はぶれない女で強くたくましく傷ついたヒロイン(海里)を守る。
海里は本質的にクズではないけど、傷ついて「逃げ込む」傾向があり、せっかく頑張ってフォトアワード新人賞を受賞したのに仕事も投げ出し、またクズになるでしょう。
タイトル回収で(あのクズを殴ってやりたいんだ)とほこ美が海里を愛情をこめて殴って(殴る心意気で)目を覚まさせるのだと思います。
✨✨✨♥️✨♥️✨
海里のダメージは相当深いと思います。
可愛がっていたルームメイトの相澤悟がまさか自分を憎んで監視するためにそばにいたなんて、衝撃も度を超えています。
さらに悟は海里を傷つけるために、海里の愛するほこ美を傷つけたのです。
悟は100万円払って3戦3勝の強い女ボクサー(吉本実憂)を雇い、ほこ美をKOさせました。
そこまでしたのだと海里は知り、さらに悟からこう言われます。
「俺は兄貴と母親と3人で暮らすのが夢だった。あんただけがのうのうと幸せに生きて笑って、そんなの許されるかよ。一生傷ついて一生苦しんでろよ。そう思ってずっと見てた。なのに。自分で自分を傷つけるようなことばっかして、何の感情も無いただのクズだったあんたが変わった。前を向いた。勝手に許されたような気になって夢を語って、あんただけ人生楽しくやり直すなんておかしいだろ。おかしすぎて笑えるわ。なんで兄貴が死ななきゃならないんだよ。あんたが死ねばよかったんだ。」
残酷すぎる言葉です。
海里が前を向いた理由がほこ美であることを知った悟はほこ美を傷つけた。
海里はそれを知ったのです。
♥️✨♥️✨♥️
海里と悟の楽しく暮らす日々が映し出されました。
何も知らない海里は悟の存在に癒されてきたと思います。
悟はどんな気持ちだったのか。
いつから同居したのか知りませんが、悟の兄が死んでもう7年経ちます。
海里は7年もの間、クズとして後ろ向きに生きる一方、平山家にお金を送金してきました。
悟はそれを一番近くで見てきたのです。
憎む相手と数年間も表向き和やかに同居するというのが人間の感情として成立するのか私にはわかりません。
その間、自分の感情を殺して人生を犠牲にすることになります。
数年間の内には海里を嫌いになれない時間は存在したかもしれません。
でも注目するところは、「あんたが死ねば良かった」と海里に言った悟の✨「直後のシーン」です。
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悟は兄との思い出の公園で一人ブランコに乗って、兄がお守りにしていたブレスレット(子供の悟があげた安物)を握りしめ、ブレスレットの玉がバラバラに落ちて壊れていくのを見ながら泣きじゃくるのです。
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もし悟が「あんたが死ねばよかった」を海里に言ったことを後悔して、海里のことを思うシーンが直後に入れられたのなら、悟は少なからず海里を好きになってしまったのだとわかります。
でも残酷な言葉を海里に言った直後も、兄との思い出の公園で兄を想って泣くのです。
悟の気持ちは傷つけた海里に向いていないことがわかります。
悟は羽根木ジムの会長(渡部篤郎)にやっと平山の弟だと名乗り、遺品を全て貰い受けました。
海里に最後の憎しみをぶつけ、これからは兄の思い出とともに自分の人生を生きていくのだと思います。
次がラスト(最終回)ですが、悟はこれで退場ということです。
深くえぐられた傷を抱えた海里が、ほこ美の影響でまた前を向くことができるかが、最終回の鍵だと思います。
羽根木ジム会長が海里に叫びました。
「お前の人生は誰かのための人生じゃない。自由でいいんだよ。お前は自分の人生を生きればいい」
「許されないんです。」
海里は背を向けて去りました。
♥️✨♥️✨♥️✨♥️
最終回ではほこ美はKOされた恐怖を乗り越え、試合に出るようです。
ほこ美を嫌って意地悪してきた撫(玉井詩織)は試合の応援に行くようです。
私ならもう撫を信用できないですが、これはドラマでほこ美なのでまた友達として仲良くやっていくんでしょうか?
✨✨♥️✨♥️✨♥️
ほこ美に振られた大葉と羽根木ゆい(岡崎紗絵)がいい感じになりそうな雰囲気です。
「僕はいい人なんかじゃなく、つまんない人間です。」と言う大葉に、
「いい人です。あとちょっと面白いんです。」
とゆいは言います。
面白いんです、と受けとめるのは素敵な感情だなと思います。
このドラマで確かに大葉は優しくて頼れるだけじゃなく面白く描かれていると思います。
大葉は一番ラブコメっぽいキャラで、素敵で魅力的に軽やかに描かれています。
(海里やほこ美の設定は重いので。)
ほこ美にきっぱり振られた時、
「うん。よし。終わり。あーすっきりした。俺ずっと好きだったからさ。結婚決めるずっと前から好きだったのに言えなくて戦いもしなかった。でも今回はちゃんと言えた。だから大丈夫。ありがとう。」
大葉は笑顔で言います。
笑顔を見せたのはちょっと強がりだったけど、すっきりしたのは本当だと思います。
自分のできることを全てやったんだから、悔いはありませんよね。
自分の課題と人の課題を分けて考えられる素晴らしい人だと思います。
✨♥️✨♥️✨♥️✨
読んでくださり、ありがとうございます。
最終回も楽しみに見て、感想を書きたいと思います。