あのクズを殴ってやりたいんだ6話 感想
中盤に来て、ほこ美(奈緒)と海里(玉森裕太)の完璧な恋愛成就がありました。
リング脇でのキスの画は美しかったです。
完璧というのは当事者2人にとっては何の曇りもなくという意味で、そこを切り裂いてくるキーマンは悟(倉悠貴)となるでしょう。
若い人物の脇役で、2人に対して拘りがあるのは以下 3人います。
海里と同居している弟分のカメラマン、悟
ほこ美の同僚の撫(玉井詩織)
ほこ美の先輩社員の大葉(小関裕太)
悟は恐らく理由あっての海里への嫌悪(海里との試合で亡くなった平山大地の関係者なら逆恨み)
撫はほこ美への理由なき嫌悪
ほこ美を好きで嫉妬という理由のある大葉
この三者が対比的に描かれています。
理由あり嫌悪する者(悟)
理由なく嫌悪する者(撫)
理由あるが嫌悪感を持たない者(大葉)
大葉は羽根木ゆい(岡崎紗絵)と歯医者で会った時、スタンダールの本にちなんで「分析したり頭で考えるのは得意でも、実際の恋愛は苦手。ずっと片想いしてるだけで踏み出す勇気も無い。」と恐らく自分に重ねて話しています。
大葉は海里に「佐藤(ほこ美)は俺にとって大事な後輩なんです。泣かしたら許しませんよ。」と釘を差し「めちゃくちゃかっこよくなかったですか。ここ笑うとこですよ。」
と落ちをつけています。
大葉は読書家で心理学の本なども読んでいるでしょう。
自分のできること、したいことをして自分の課題をこなす一方、
それを受けて相手がどうするかは相手の課題なので、自分がどうこうできる問題ではないのです。
人間だから嫉妬の感情はあるでしょうが、それは自分自身の問題なので、
好き合っているほこ美と海里の役に立とうとしているんだと思います。
落としどころとしては大葉はほこ美に気持ちを伝えたいでしょう。
気持ちを伝えて自分の課題を終えてさっぱりした羽根木ゆいも素晴らしいなと思います。
✨✨✨
一方、どす黒い感情に支配されて裏工作している悟と撫
撫は大葉にほこ美と海里のホテル行きを匂わせて楽しんでいます。
悟は撫に「良くないと思いますよ。ほこ美さんの幸せ妨害するの。この先、海里さんとほこ美さんがうまくいったらどうしますか?」
撫「その時はその時でムカつくな」
↑このセリフから撫のほこ美への嫌悪は、単に大葉が好きだから嫉妬してるだけじゃないことがわかります。
どんな形にせよ、ほこ美にほこ美が感じる幸せを得てほしくないんです。
悟「海里さんも巻き込まれちゃうじゃないですか」
撫「私の味方になって」
と悟の手を握ります。
悟はその手を振り払って「撫さんとはいい友達でいたいんです」
悟は情報を取りたくて撫と一緒にいる。
でも理由なく嫌悪して陥れようとする女と手を組む気はないんだと思います。
自分は憎むべき理由があって憎んでいるので、
海里がほこ美と上手く行くなら、てっぺんから突き落とすつもりでしょう。
仕事を紹介して海里を喜ばせてから、その仕事をだめにさせたように。
悟の描く筋書きがあるのです。
バーもやめた、女の子たちとも別れたと言ってカメラの道に夢中で突き進もうとする海里に
「なんで急に? 今まで通りでいいじゃないですか」
と悟は焦りを感じています。
悟は嫌悪する相手の人生を浮かび上がらせないために、自分の人生を犠牲にして隣で弟のように振る舞っているのです。
悟は間違いなくキーマンだと思います。
♥️✨♥️✨♥️✨♥️
6話のクライマックスはほこ美の二度目のスパーリングに駆けつけた海里
練習試合後、二人きりになって海里が素直な気持ちを伝えて本気のキスするところですが、
ここはあと1ステップ欲しかったです。
ボクシングの試合を見てあれだけトラウマで吐きそうになっていた海里が、再びボクシングを見るのですから。
ほこ美が気になって練習試合を見に駆けつけたのはいいとして、ほこ美は目の前で強いパンチを受けてダウンしました。
そこで海里は「立ってほっこー! 負けたと思ったところから勝負だ。」と応援し、ほこ美が立ち上がって試合が優勢になりましたが、
出来すぎで、海里があっさり振り切りすぎて少し白けてしまいました。
ここで1ステップあれば違ったと思います。
例えばダウンしたほこ美を見た海里の脳にまたトラウマの先輩の顔がフラッシュバックして、苦しくなりかけた時、ほこ美が自ら立ち上がって試合を再開していく。
その姿をみた海里は夢中でほこ美を応援するといった感じで、
海里のトラウマを解消する切替のシーンが見たかったです。
そこだけが残念でした。
✨✨✨♥️♥️
ほこ美と海里の恋の告白の掛け違いはとても素敵でした。
ほこ美が酔った海里を介抱した朝、改めて気持ちを聞きます。
「私は気持ちを伝えたじゃないですか。返事と言いますか、付き合うとか付き合わないとかあるじゃないですか」
海里は「付き合う? そんな必要ある? 今のままでいいじゃん」
くるくる変わるほこ美の表情とか、それを軽くいなす海里のカッコ良いミステリアスさが素敵で面白かったです。
ほこ美を心配して海里に言ってやる佐藤さや美(鳴海唯)の姉を思う妹の気持ちは温かかったですが、視聴者はもう海里がクズじゃないと知っているので、さや美の別れたクズ夫と重ねて言うのはやや的外れに感じました。
「付き合う?そんな必要ある?」は面白いパワーワードなので、その言葉を生かした感じで、心配するにしてもコミカルに姉妹のやりとりがあった方が良かったかなと思います。
✨✨✨
振られたと誤解したほこ美に海里は素直な気持ちを伝えます。
「そんな必要ある?」の答え合わせですね。
「俺ね、普通に付き合うみたいなのがいいのか分からなかった。恋愛はいつか終わる。ほっこーとはずっとこのままでいたいから。でもそんなのは言い訳だ。俺ずっと逃げてた。ほっこーの気持ちから。でももう逃げない。俺はほっこーが好き。」
で、あの美しい画のキスをリング脇でしました。
✨✨✨
プロテストを受ける決意するほこ美
スポーツカメラマンの朝倉修太郎(安井順平)のアシスタントを志願する海里
前向きな二人
恋愛成就
6話は気持ちよく終わりました。
海里があんまり素直すぎるのもカッコよさが半減するかな?と不安もありますが、
この先の展開が楽しみです。
♥️✨♥️✨♥️✨♥️
読んでくださり、ありがとうございます。
また次回を楽しみに見て感想を書きたいと思います。