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この記事は今後プラハへ行こうとする人のガイドブック的な参考にはなんらならない。 なんらならないが、わたしがプラハで記録していたことを振り返る。 わたしの主観で書いているので事実と異なる点もあるであろうことをご了承願う。
わたしは犬が苦手だ。 きらいではない、苦手なのだ。犬がこわいのだ。 小学生の私は登下校の時間が死活問題だった。 距離約2km、山や田が広がる道には度々野良犬が現れた。 集団下校中、黒くて大きいラブラドールのような犬に追いかけられた。 気づいてくれたどこかのおじちゃんが軽トラの荷台にみんなを乗せて救助してくれた。 車のスピードで走っても尚追いつきかねない犬の速さに、わたしは恐怖した。 近所には野良犬を飼い犬にした家があり、その犬は朝になると自主的に散歩をしていた。 その犬
『新しい森を見たければ、いつもより少し早起きして、日曜日の七時ごろ、プラハのウィルソン駅に行くことです。』 (カレル・チャペック「カレル・チャペックの日曜日」) ウィルソン駅は現在「Prague Main Station」になり、プラハから各地方への列車は全てこのメインステーションから発車している。 Sázava(サーザヴァ:ガラス美術館へ行く前にSázavaからバスでČeský Šternberkのお城の見学へ行き再びバスで戻ろうするも行き先を間違えた挙句に次の戻りのバ
休日の朝、トラムに乗ってKamenická(カメニツカ)で降り、5分程歩いてパン屋でサンドイッチを買う。 そこからさらに5分程歩いてようやく公園の敷地内にたどり着く。 しかし公園の池やベンチがあるところまではさらに歩いて10分くらいかかる。公園と言うよりは森に近い。木が高く、葉が生い茂り、太陽の光が注がれる、明るい森。 整備されているが必要以上にされていない、均一でない、それゆえに自然だと感じる。散歩中の犬とすれ違う。 夏にはプラハっ子は公園で水着になって日光浴をしている
クリスマスにチキンを食べるのは万国共通の概念ではないと知る。 クリスマスが近づくと道には魚を売る路面店が現れる。 巨大なバケツのような容器には狭そうにうごめく鯉がいる。 チェコではクリスマスに鯉を食べるのだ。 路面店ではその場で鯉を捌いてくれるらしく、調理台には生々しく血の痕が残っている。 生きたまま持ち帰り、調理するまでバスタブで泳がせておくパターンもあるらしい。 プラハの大きいクリスマスマーケットにはだいたい行った。 蜂蜜酒のMedovina(メドヴィナ)や食べ物
ルームメイトと出かけて同じ家に帰る。 中華を食べたいとどちらかが言い出しては、いくつか候補がある店から徒歩で行ける中華店に行くか、トラムに乗って行く中華店に行くか、新しい中華店を開拓してみるかになる。 基本的には徒歩で行ける中華店に行くことになるのだが、久しぶりにプリプリの海老の餃子が食べたいとなればトラムに乗る。 初めて入る中華店では大抵中国語のメニューを渡される。 どの中華店も量が多く、安く、美味い。外食はチェコ料理よりも圧倒的に中華料理かベトナム料理になりがちだった。
チェコ語で「こんにちは」は「Dobrý den(ドブリーデン)」という。 スーパーで買い物をする際にレジの店員に「Dobrý den」とあいさつし、「Děkuji」とお釣りを受け取り、「Na shledanou」と別れの挨拶をする。 だいたいこの3点セットでチェコでの生活をどうにかしていた。 この「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」の会計時の基本挨拶はヨーロッパ圏のどの国に行ってもだいたい同じだった。 日本ではレジで会計をしてもらう時に「ありがとう」ぐらいしか言わな
大学生の夏休みは時間を持て余していた。 ひまでひまで仕方がなく、暇すぎてヒマだということが日常化されてなんとも思わなくなるくらいに『ひま』だった。 午前中は自転車を漕いでマンゴーの収穫のアルバイトをし、午後からは家で「少女革命ウテナ」や「ベルサイユのばら」などの長編アニメを2日ほどで一気見したり、ハリーポッターよりも分厚い村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」をソファで1日中読んでいたりした。 わたしの大学生の夏休みは、膨大な時間を持て余しながら1日1日
ここは中欧。チェコのプラハに来て半年が経った。 眠っている間の知らないうちに午前3時を2度迎え、サマータイムが終了した。 雪でも降りそうな白く厚い曇りの日がつづき、1日中太陽を見ないまま日が沈む。眠たい日々だ。 外に出れば空気が氷のように冷たいが、家に入ればオイルヒーターが室内全体をくまなく暖めてくれていて半袖でも過ごせる。ますますインドアに拍車がかかるので文章を書いてる次第だ。 いまは冬、泣いてばかりだった2018年の年の暮れに、来年は本当にやりたくないことはやらないと決
とりあえず書いてみるときの「あ」の字。 100均で買ったノートがわりとよい、わりとよいかもしれない日記。 誰とも合わない予定、取り掛かり始めた1行後に違うことに取り掛かる、少し変なにおいのする紙と、いつかの日記、偲ぶあの日々。 すぐに剥がれる絆創膏、ホコリを吹き飛ばす、引越したばかりみたいな部屋、インスタグラムで眺める犬、写真からの記憶は眩しく美しい。 旅をすることと住むことの違いはどこからだろうか。 時間の長さ?それとも帰る場所? わたしは暮らした、プラハ で、一