檸檬翠

文章書くことが私のケア。

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最近の記事

AIに日記を歌ってもらう

数日前、「日記書くのやーめた」とか云々、書いたけれど、何かしら書いておきたい欲は残っている。そこで、日記をSuno AIに歌わせてみた。簡単に「歌」になってしまうこわさを感じながらも、これが案外たのしい。簡単に一日を俯瞰できるのがメンタルにいいのだ。(やってみて!) 私はあまりにたのしくて課金。 CustomにしてLyricに日記を書く。 Style of Musicをどうするかが肝だったりする。 どうでもいい内容であればあるほど「いい曲できた」と感じる。 それでは、聴い

    • 人はなぜ生きるのか

      健康だったときは、私 毎日「しにたい」とばかり思っていたのに、 病気になってからは、 毎日「しにたくない、しにたくない、生きたい」とばかり思っている、まったく愚かな人間です。 人はなぜ生きるのか。 いい人間になろうとする旅路なのだろうね。 人を憎んだり妬んだり、 それでも夜眠る前に「明日、その人がいい一日でありますように」と言えるどうかなのだと。 私は今夜も言えませんでした。 どうしてもゆるせない人がいますし、 休日、大型イオンの白熱電球が目が眩みます。 過去をいつまでも

      • 読書日記、アメリカの女の子

        哀しいカフェのバラードカーソン・マッカラーズ著 先日、ある本屋に通りがかると『哀しいカフェのバラード』の原画展が開催されていた。心が躍った!つい昨日、カーソン・マッカラーズの本書(村上春樹訳)を読み終えたところだったから。 実を言うと、読んでいた最中は「なんか怖い絵・・・」と思っていたのだが、現物を見てああもうびっくり。しんみりと物静かな人物像が、心にぐぐぐっと迫り寄ってきた。山本容子さんの銅版画展、早稲田大学文学館で、来年2025年の5月までやっているから、読んだ方は

        • ソックス、ドラッグス、ロックンロール物語

          わたしを殺さないで 幼馴染のユミと喫茶モーニング。 久々に会ったユミの足元がこんもり、ぱんぱんに膨れ上がっていて思わずつい凝視してしまう。 「何枚履いてるの」 「10枚」 ユミはズボンの裾をまくり上げる。こりゃちっともセクシーじゃない。靴だって男性用のビルケンシュトックをベルト最大にゆるめて履いている。かつて赤文字系ファッションを決め込んでいたユミはどこに行ってしまわれたか。 「あったかいの?」 「1枚よりずっとね」 ユミはなぜか勝ち誇ったかのように、私のミニスカートにブー

          闘病記書いて日記をやめた

          2022年9月 春から夏にかけて転職活動。 40代の転職は昔と比べると、そりゃま「すんなりとはいかんな」ってことばかりだった。それでも8月にはあたらしい職場が決まり、岐阜から名古屋まで、通勤することになった。「頑張るぞ、頑張らなきゃいけない」と、奮い立たせて通うものの、身体がひどく疲れやすい。おりものも多く「ついに来たか、更年期」くらいの気持ちで、職場近くの小さな婦人科へ行った。そこで「がんかもしれない」と言われた。 言われてから気づいたけれど、お腹の下部を撫でるとぽっこり

          闘病記書いて日記をやめた

          さびしさの克服

          友だちインスタグラムに、私の日常を投稿する。 「誰が見るねん?」と思いながら。 本当に誰も人のことに興味がないという 孤独の問題をどうにかしてくれよ、と思いながら。 事実、私の(being)を気にかけてくれる人は誰ひとりとしていない。 いや、お母さんがいる(ウギャッ、お母さんしかいないのか)。 みんな、自分の告知、自分のことをミテミテばっかり。 そういう私だって、友だちのインスタグラムを見ていない。そういう仕様になっちゃったんだもん。仕方ないじゃん。ねぇ、インターネットって

          さびしさの克服

          独身でがんになる、他人の言葉に傷つくということ

          最近、水谷緑さんの『32歳で初期乳がん 全然受け入れてません』というエッセイ漫画を読んだ。 水谷緑さんは、一見やわらかなほのぼの系の絵だが、日常の中のぶっちゃけた心のうちを描くのが上手な漫画家さんだ。お父さまを看取った緩和ケアのお話や、精神病棟の漫画なども描かれている。 この漫画では、32歳独身でステージ0の初期の乳がんが発覚。彼氏に告げたら「大丈夫ですよ」キリッと言ってくれた、と。その後「先祖に祈ってます」っていうメールをもらって、不安も相まってイライラして「みんなポエミ

          独身でがんになる、他人の言葉に傷つくということ

          自己愛と境界線

          自己愛をエサに釣りする人、 エラをぱたぱたお近づきになりたい人ってのがいる。 自己愛が行き過ぎた人は「自分だけは特別」って思いたいし、お近づきになりたい人は「自分を認めて」芳香を噴出させている。この両者は最悪な組み合わせなのに、奇しくもマッチしてしまう。 別に批判しているわけではない。そういう「時分」に気がつけばいいだけだと思うし。私はインスタのスクロールをやめてスマホを裏返しに置いた。 5年前、S社ではまず田丸がクビになった。料金計算を間違えたとか些細なミスだった。三円

          自己愛と境界線

          子宮頸がんは「ウイルスが原因」と書かれることへの違和感

          子宮頸がんに関するニュースの一文目に「子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発症する」と書かれている。 私はこの書き方にものすごい違和感を覚える。 HPVはありふれたウイルスで、女性でも男性でも9割の人が感染する。そのうちの90%の人は、免疫によって消える。しかし10%の人は、ウイルスが長期間持続してしまい、何らかの理由(ストレスとか食べ物とか運動不足とか)で免疫が下がった結果、がんになる。だから「免疫力の低下によって」って書くべきなんじゃないの?

          子宮頸がんは「ウイルスが原因」と書かれることへの違和感

          なぜ怒ってしまうのだろう

          大病を抱えているわりに毎日穏やかに過ごせていたが、今日「カーーーッ!」と怒ることがあった。コジコジのやかん君みたいだった、私。何が起こったかは重要ではないから書かないでおこうと思ったけど、やっぱり書かないとな。 これは「私はなぜ怒ったのか」という話です。 職場である案件を任された。 たまにくる他人の提案書を作るという謎仕事である。Hディレクターは、イラレもパワポも触れない。私は「自分で企画する提案書は自分で作れよ」と思ってしまう(てかその方が早くない? 体裁だけカッコつけた

          なぜ怒ってしまうのだろう

          大人の寓話 | 私は認めてくれる人探しをしていた

          2021年、コロナ禍のなか旅にでた 場所は、太平洋のプリンシパル島(仮) ある寺院で聞いた話。 6km先の森から、とある巨木を祠の中に移したという。翌年、村に大きな台風が来てご神木は台風被害からまぬがれた。地元の方の話を聞きながら、はて、無理くり移したから台風が来たのでは、と思う。 その話を聞いた夜、何度目かの台風を耐え抜いた島のホテルのびろうに口づけをすると、なんだか申し訳なくなった。それで、自分自身が今までどのように人と話をしてきたか明らかになった。 かつて東京、大阪

          大人の寓話 | 私は認めてくれる人探しをしていた

          ショート小説 | 愛し愛されて生きる家族さっ

          8月14日、僕の姉ちゃん、ユミ姉ちゃんが10年ぶりに帰省したんだ。ユミ姉ちゃんはまだ甥っ子ちゃんが小さいと思って『インサイド・ヘッド』のグッズなんか買って来ちゃって。小さくてかわいかったあん子はもうすっかり、ボーボーに脛毛も生えた、残念なアニオタになっていた。おっぱいぶりんってなってる絵を、居間に堂々と飾っていて衝撃を受けたね。本も読まずにゲームの灯りでニキビ面を照らしてさ。だからって押し付けちゃいけないよね。正しさってやつをさ。 この子の母親は何してるのかって? 僕らの一

          ショート小説 | 愛し愛されて生きる家族さっ

          『小山田圭吾炎上の嘘』読んだ

          小山田圭吾 炎上の「嘘」 (中原一歩 著)を読んだ。 Corneliusの長年のファンであるにも関わらず、 私はなるべくこの件は見ないよう、ニュース等々全てスルーして、30年過ごした。 30年って。自分がイヤな気持ちにならないために。これは傍観でもなく、何も考えようとせずにいた証拠。Tシャツだけはちゃっかり買っててとても恥ずかしい。 例の雑誌は中学生の時に私も見ていた。 間に受けなかったがずっとモヤモヤはしていた。私も無知で未熟で自分の意見がなくて、HEY! HEY! H

          『小山田圭吾炎上の嘘』読んだ

          元彼はスレッズおじさん

          元彼の名前を検索してみたら、スレッズおじさんと化していた。どうやらXは辞めた模様。フォロワーが1万人もいて、蛇口ひねったみたいに言葉が溢れている。なんだか元気そう。ヨカッタヨカッタ。 私は自分の心を揺らすかの如くスクロールしてみる。マッタク、何の役にも立たない情報ばかりだが、読めばオモロい文章でついつい見ちゃう。しかしまぁ大変な人だったと思い返す。 5年前、私たちはマッチングアプリで知り合った。付き合って3回目のデートで、滋賀県の雄琴の温泉宿へ泊まりに行った。雄琴といえば

          元彼はスレッズおじさん

          病院の日、友人と10年ぶりに再会する

          朝食作りながら水曜日のダウンタウン(きしたかのの回)を観て泣く。病院の日の朝は、映画とKindleを数冊ダウンロードしておく。 今日は三ヶ月に一度のMRI診察。 病院の待ち合い室には、怒っているひとがかならずいる。鍼灸で教えてもらった足指運動をする。置き針のおかげか足の付け根の痛みがなくなった。 時間のつぶし方ばかり上手になる。私はまた同意書を持ってくるのを忘れた。健康体に憧れてもなお、病院に併設されたローソンの、新作おろからぽんに視線が奪われる。 「愚か、愚か、ああなん

          病院の日、友人と10年ぶりに再会する

          脚本 銀河八十八

          ※これは1969年の映画『銀河』を元にサンプリングした脚本です。 監督:ルイス・ブニュエル 脚本:ルイス・ブニュエル&ジャン=クロード・カリエール 映画は、キリスト教における巡礼の道、サンティアゴ・デ・コンポテーラを舞台に、宗教システムの欺瞞を描いたコメディです。これはその物語を、真言宗の西国三十三所巡礼に書き換えたものです。 無宗教と言いつつ神様を信じている、私の目線の脚本です。何か信仰をされている方には、不快に思われる内容かもしれません。 これは純粋な創作ではありません

          脚本 銀河八十八