【DAY6】KADOKAWAの一件。

『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』と題された、話題のあの本のお話。

俺はトランスジェンダー当事者として、この本で描かれた内容をどう咀嚼していいかわからずにいた。確かに、SNSを通じて同世代のロールモデルが見えやすくなったことで、トランスに対するハードルが下がっていることは、一概にいいこととは言えないのかも知れない。
勘違いしてしまう10代が多いのもしょうがないことだと言える。

でも当事者目線で言わせてもらえば、放っといてほしい。
『勘違いかも』なんて、わざわざ本でご忠告いただかなくても、本人たちはとうに悩みに悩み抜いているのだ。シスジェンダーとして生きられるなら、そっちのほうがいいに決まっている。自分の一生を真剣に見つめて、そうすることでしか生きられないからトランスするのだ。
仮に、SNSによって、深く考えずにトランスを選んでしまいそうになっている若者がいたとして、その若者をもう一度よく考えるようにと引き止めるのは、世間様の役割ではないとも思っている。
それは医師や、当事者コミュニティの役割である。
そこに第三者が首を突っ込むことは、余計なお世話に他ならない。そのような考え方は、当事者への弾圧にすら繋がっていくのではなかろうかと危惧している。

言論の自由とか、そのあたりの話はまた別になっていくのだろうが、その内容からのみ言えば、某書が刊行中止になったことは、順当かつ適切であったように思う。

これが今のところの私の意見だ。

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