レモン奏ト

読んでくださりありがとうございます。 主に小説サイトにて小説を書いていましたが、他にも…

レモン奏ト

読んでくださりありがとうございます。 主に小説サイトにて小説を書いていましたが、他にも色々チャレンジしたくてこちらへ。 誰かの心に響くものを作れたならいいなぁと思います。 よろしくお願いいたします。

最近の記事

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カモミールと共に

ショパンより、雨だれ前奏曲がお客様を誘う、不思議なカフェ バタフライに立ち寄りませんか? 〜あらすじ〜 二十一歳になった女性は、演奏家として伸び悩み、芽も出ない。芽が出るのは頬にできるニキビだけ。 そんな女性を誘うように、ショパンの雨だれが響き、見知らぬカフェが現れる。 女性はそのカフェに訪れると、みるみるうちに日々の変化が… ー補足ー テキストバージョンから少し編集しており、より聴きやすくなっているかと思います( ∩ˇωˇ∩)

    • 短編小説:孤独な涙

       いくらかの桜の花びらたちが、春風と共にワルツダンスを踊っている。  桜の木々には満開の桜が咲いている。 「今年も綺麗だなぁ」  受験合格した僕は気持ちも晴れやかに、桜並木のある大きな公園に一人で訪れていた。平日とはいえ春休みだ。ファミリー層から恋人たち。社会人たちの飲みの会、仲間たちと和気あいあい楽しむ人たち。色々な人が桜を楽しんでいた。どの人も笑顔なものだから、僕もより笑顔になる。その中で彼女だけが不機嫌オーラ満載でパレットに向っていた。 「綺麗……」  彼女が描いて

      • 短編小説:星降る夜に

        ――早くしないと。僕達には時間がないんだ!  そう言って亮君は背を向けて走り出してしまった……。 * 「彩さん。準備は出来た?」 「えぇ」  私達は部屋をでる。白を基調とした階段を降り、心がホッとする笑顔を向けてくれるオーナーに会釈をして、宿をでる。 「誠さん。早く早く」 「彩さん、走ると危ないよ」  誠さんは子供のようにはしゃいで急かす私を宥めるように言いながら、速足でついてきてくれる。  五つ歳の離れた愛する旦那様は、結婚して八年と言う月日が立てども、優

        • 夏の終わり(短編小説)

           例年を通り越すほど、今年の夏は暑い。  メディアでは六月にも拘わらず、熱中症対策を伝え、ワイドショーでは猛暑猛暑と繰り返し、大学では毎日誰かしら、熱中症で倒れていた。  そんな誰もかれもが、暑さで頭が可笑しくなる季節。ついにこいつも可笑しくなったのかと、目を点にさせる。 「ぇ~っと、今、なんつった?」 「いや、だから~、僕はナツを終わらせたいんだ! って言ってるんでしょ」  目の前に仁王立ちして、胸の前に拳を握って変なことを言い出す友人の佐々倉に、俺は呆れる。 「お前

        カモミールと共に

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          花記憶(短編小説)

           目が覚めると、一通の手紙がサイドテーブルに置かれていた。封筒の表には私のフルネーム、裏には彼の名前が書かれていた。 「なに、これ?」  寝惚け眼で手紙を手に取った私は、シール一つも貼られていないために封が開かれている封筒を手に取り、中身を取り出して見る。  便箋が二枚。一枚目には、[本日、午前八時 花に包まれた場所で、再び、君を待つ。]という暗号じみたメッセージだけが書かれていた。  寝起きのうえ、元より推力が高くない私は頭上にクエスチョンマークを浮かべて首を傾げた。

          花記憶(短編小説)

          沢山投稿されている素敵なnoteの中から、私の作品を見つけて観覧して下さり、いいね♡やコメントも届けて下さりありがとうございます✨ 励みになります🍯 コメントのお返事方法がよくわからないので、感謝の気持ちを込め、♡ボタンをぽちっと押させて頂くことにいたしました( ∩ˇωˇ∩)

          沢山投稿されている素敵なnoteの中から、私の作品を見つけて観覧して下さり、いいね♡やコメントも届けて下さりありがとうございます✨ 励みになります🍯 コメントのお返事方法がよくわからないので、感謝の気持ちを込め、♡ボタンをぽちっと押させて頂くことにいたしました( ∩ˇωˇ∩)

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          ポピーの花とナポリタン(ラジオ小説)

          〜あらすじ〜 好きな花の匂いの話題になった時に、少女は迷わず香りのないと言われるポピーの花を上げた。 少女にとって、ポピーとポピーに染みついた香りに、大切な思い出があった。 https://note.com/lemon_kanato/n/n413cf1be9e83?sub_rt=share_b&d=s6c7zzizOu4 をボイスドラマにして見ました

          ポピーの花とナポリタン(ラジオ小説)

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          ポピーの花とナポリタン

          「桜は、好きな花の香りってある? やっぱり、桜の香りとか?」  クラスメイト。いつものメンバー三人の内の一人、菜々美が私に問う。  私の名前が横塚サクラということがあってそう言っているのだろう。なんて安易。 「違うよ」 「じゃぁ、何が好きなの?」 「ポピー」 「ぇ? ポピー? 桜、私達の話しを聞いてた? 好きな花の話しじゃなくて、好きな花の香りの話しだよ⁈」 「うん。聞いていたし、ポピーは香りのない花だと言われていることも知ってるよ」  大袈裟なほどに驚く菜々

          ポピーの花とナポリタン

          黒い引き金(短編小説)

           二〇××年 八月 一五日。 「彩音~。でてこーい」  ボリュームのある黒髪にパーマのかかった借り上げマッシュヘアー。睫毛ギリギリで切り揃えられた重い前髪。  灰色の縁をした丸メガネの奥には、二重と涙袋が優しくも可愛らしい印象を与えている。四つ年上の幼馴染、水野恭平は部屋の扉をノックする。 「黙れ、恭平ッ!」  不機嫌な音と共に、分厚い参考書が部屋の扉に投げつけられる。  ナチュラルストレートの黒髪を振り乱し、威嚇する猫の様に荒い息を繰り返す少女、小日向彩音はキレイな

          黒い引き金(短編小説)

          ソードの10(SS)

           私の足には足枷がついている。  その足枷の先は、深い深い海の底にある十字架。  陸にある身体さえ海に沈んでいるようだ。  足枷を叩き壊そうにも、私は腕や手は拘束されていて、自由に動かすことが出来ない。  何故、こうなってしまったのか……。  誰に聞いても答えはない。  誰に助けを求めても、誰も助けてくれない。  当たり前だ。  この足枷も、腕に巻かれたロープも全て自分でやったのだから。 *  自分の不要なプライド。  弱さ、脆さ、不安定な心が作り出したもの。  全

          ソードの10(SS)

          カモミールと共に(短編小説)

          「疲れた」  バイオリンケースを背負った私は足取り重く駅前に向う。  もう投げ出してしまいたい。自分の肌も積み重ねてきた日々も全て。  今年で二十一歳になった。演奏家として伸び悩み、芽も出ない。芽が出るのは頬にできるニキビだけ。  私の口から盛大な溜息が零れ落ちる。 「ん?」  微かに聞こえるピアノ音。私の聴覚が最大限に発揮する。ピアノの音色は鮮明に聞こえ出す。ショパンより、雨だれ前奏曲。 「今の私にぴったりね」  自嘲気味な笑みを浮かべる私は視線をさ迷わせる。音の出

          カモミールと共に(短編小説)

          大人になりすぎた二人

          彼は彼女のことが、気になっていた。 彼は、彼女が自分のことを気になっていたことを知っていた。気がついていた。だけど、知らないふりをしていた。知らないふりをしなければならなかった。 自分が彼女にふさわしい人間であるとは、ほとほと思えなかったからである。 自分が彼女のことを幸せにできるなんて、思わなかったからだ。 だから彼は、ただ純粋に、彼女の幸せを願っていた。だから自分は自分の気持ちに蓋をして、いい人、良い仲間、良いお友達として接し続けたのだ。 彼女は彼に恋をしていた

          大人になりすぎた二人

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          大人になりすぎた二人

          自作の短編小説を朗読動画にしてみました

          大人になりすぎた二人

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          ずっと気になっていたnoteを始めてみました。 いまいち使い方が分かりませんが、物書きとして、ぽちらぽちら色々投稿して成長してゆけたらいいなぁと思います♪

          ずっと気になっていたnoteを始めてみました。 いまいち使い方が分かりませんが、物書きとして、ぽちらぽちら色々投稿して成長してゆけたらいいなぁと思います♪