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子どもの感情アンテナは最高級

まずは自分が冷静になってから…そう思いつつも人間なので感情的にイラっとしてしまうことはもちろんあります。それは仕方のないことですし、そんな感情があるのが人間だと思っています。ただ、何かの気づきを子どもに伝える時、支援のなかではなるべく減らすべきところであるとも思っています。いまでこそあまり怒りの感情が出ない私ですが、つい先日やってしまったことがあります。

とある日の外活動中、いつもと違う公園に少し遠出をしてみんなで遊んでいました。ある子が見つけた木の枝がとても魅力的に見えた男の子がいました。どうしても一本貸してほしい男の子。「貸してくれる?」と聞くも「だめ!」と断られる。一生懸命見つけたお気に入りの枝、事業所に戻ったらその枝を切って工作をしたかったそうです。そんなわくわくする素材を素直に渡したくなかったのです。男の子は拒否されたことにイライラ。逃げ回る子を追いかけ言葉でも責めます。「なんでだよ1本くらい貸してくれてもいいじゃん。ケチ!バーカ!」なかなかの事を言い続けます。
私がまず男の子の動きを止めて「どうした?」と相手の気持ちをまず聞きます。
「〇〇君、あの枝はあの子が頑張って探した大切な枝みたいだよ。〇〇君も大切なものを取られそうになったら嫌だよね」
「うん。わかってる。わかってるんだよ!でもでも、1本くらい貸してくれたっていいじゃないか!」
動きを止めたことで一瞬鎮火するも、まだまだ怒りの炎が燃え上がりそうな状況。わかっているけれど納得はできていないので理性よりも怒り感情が優位になってしまっています。
そしてまた追いかけまわしてしまいました。
その時の私。疲れていました。慣れない公園で子どもたちの安全確認と見失わないように気を張っていました。これは全く自分勝手な言い訳です。(反省)
私の感情は「もー、いいかげんにしてくれ」が全面に出てしまっていました。その状態でその子の名前を呼びました。
「〇〇君!」
この名前を呼んだだけの一言で彼は崩れてしまいます。激怒です。相手の子に追いかけはしないものの感情大爆発!鎮火するのにとても時間がかかりました。

やってしまった…。私の「もー、いいかげんにしてくれ」の呆れや苛立ちが彼に伝わったのです。
子どもの相手の感情を察知する能力はとても精度が高いです。言葉で表すのは難しいでしょうが、気持ちはしっかりキャッチしています。
「なんかあの人怒ってる?笑顔だけどなんだか怖いな」
「いいことばかり言ってるけどこの人本心から言ってないな。正解を言ってるだけだな」
そんなことを自分が子どものときに思ったことはありませんか?HSCなどの子どもは特に表面も見ますが内面も察知します。
私は怒っている彼に更に私の怒りを送ってしまったのです。

その日は大反省でした。
あの時もう一度肩を寄せて「あの枝かっこいいもんね、触ってみたくなるよね」と言ってあげればよかった。もう一度「まあまあ〇〇君が怒る気持ちもわかりますわよ」と話を聞きながら別のところに連れていけばよかった。それだけで彼の怒りは静まっていくはずなのに。
次は絶対同じことをしない!と気持ちを改めました。
こういう失敗や成功の繰り返しで磨かれていくのです。男の子に気づかせてくれてありがとうとごめんねを込めて書きました。

子どもの感情アンテナ、あなどるなかれ。表に出る言動と中身が合っているか、それとも上っ面なのか。瞬時に見抜き子どもによっては違和感が気持ち悪く攻撃をしてくる場合があります。そして攻撃した子どもが叱られる。そして「問題児」扱いされる。そんなの理不尽です。
感情アンテナで覗かれてもブレない自分でいたいものです。

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