大好きを込めて:「3月のライオン」
小説、漫画、アニメ、映画...「物語」はだいたい好きな人間なので、この#マンガ感想文なんていう素敵な企画を知ってしまったからには思いの丈をぶつけたいと思います。
「超個人的好きな漫画ランキング」不動の一位:「3月のライオン」です。作者様はあの「ハチミツとクローバー」も描いた羽海野チカ先生です。
有名な作品なのでご存知の方も多いと思いますが、あらすじとしましては桐山零くんという17歳のプロ将棋棋士の男の子が、周囲の人間との関りを通して成長していく物語です。
(実はこの作品、社会科の資料集でチラッと紹介されていたことから手に取りました...社会の資料集、ありがとう...)
3月のライオンの好きなところ、素晴らしいところを書き始めたら多分とめどなく出てきますが、おそらく自分が一番好きな部分は「愛情をもって愛情が描かれている」という所でしょうか。家族への愛情、仕事への愛情、自分への愛情、たくさんの「愛」が、たくさんの愛を込めて描かれているのが伝わる作品です。
ネタバレになってしまうといけないので細かくは書きませんが、例えばこの主人公の零君が、ご飯の残り物の入ったタッパーを「小さな生き物のようにあったかかった」と感じるシーンだったりが個人的に凄く好きです。
温かくて愛おしくて、でもその温かさから同時に冷たさへの恐怖や寂しさも感じてしまう。その繊細な愛情が、この1ページからありありと伝わってくるのです。
この作品の作者様である羽海野チカ先生は本当にたくさんの愛情を持っている方なのだな、ということが伝わってきます。温かいご飯を大切な人達と食べること、大切な人が笑っていること。そういった日常にあるとても大事なものが、愛情をたくさん注ぎ込まれて描かれているのです。家族や友人に「ちゃんと食べているのか、野菜も食べなきゃダメだよ」、などという心配をしてくれた時に「愛されている」と感じるあの感覚が、何だかとても幸せなのにちょっと泣きそうになるあの感じが、ページから滲みでてきます。
誰かを、何かを、愛して愛されること。それを求めるのは決して恥ずかしくも弱くもないこと。誰かを守れるくらい強くなるには、自分のことだって大事にしなくてはならないこと。そういったことをいつも考えさせられます。登場人物が傷つきながらも癒し癒されて成長していくとても、とても優しい物語です。
ちなみに自分は帰省するたびに一巻から最新刊まで読み直すのですが、毎回泣きます。号泣します。号泣ポイントは決まっているのですが、毎回必ず号泣します。(個人的に特別なのは「てんとう虫の木」というお話と、その前後の部分です。毎回この辺りは涙で文字が読めなくなりながらページをめくっています。もはや恒例行事です。)
まだこの作品を読んだことが無い方、是非、是非読んでみてください。泣けます。励まされます。愛おしい、苦しい、幸せ、いろんな感情がどんどん溢れてきます。とにかく素晴らしいです。このように、勧めようとするともはや怪しい勧誘にみたいになるくらい好きな作品です...。
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