セルフケア 単純作業に没頭してみる
「先生、麻雀してる時は足の痛みを忘れてるんです」
痛みは、痛みそれ自体にフォーカスしすぎると余計に痛みを感じたりする。
逆に他のことに集中していると痛みというストレスは軽減する。
そのような痛みにとらわれすぎないというマインドフルネスな話を患者さんとしていると
「先生なかなかそんな悟りは開けません」
といわれる。
確かにそうだろう。
ではどのようにしたら良いだろうと考える。
少しヒントになるのは森田療法かもしれない。
森田療法というのは森田正馬さんが考案した
神経症に対する日本の精神療法で
神経質な性格傾向の人はよく
不安や緊張をあってはならないものとして自
力で何とかなくそうと頑張る。
そうすると逆に、不安や緊張が強くなってし
まうという悪循環に陥る。
この悪循環のプロセスをかえるには
思考や感情などの
「内」は
あるがままにして、外のこと、外的な行動を
しましょう。外から内が整っていきますよと
簡単にいえぱそのような感じだ。
さて
今年も患者さんとセルフケアの勉強をやって
いこうと思うが、テキストは伊藤絵美さんの
「セルフケアの道具箱」を利用している。
そのなかで自分を落ち着かせるワークの8番
目。
「ティッシュちぎり、紙をハサミでチョキチョキ」
ひたすら単純作業をすることで心が落ち着くというワークだ。
切ったり、ちぎったりは、ややカタルシスにつながるような気もする。
作業療法と考えても良いだろう。
そもそも茶道や生花、太極拳でもヨガでも
ある型や決まったルーチンを行う中で立ち上
がり整う「心」のようなものがあるように思う。
心を心でなんとかするよりも
いったんそこから離れて
まずは日常作業や動作から
淡々と心を整えていくことは
日本人が得意としてきた事なのではなかろうか。
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