セルフケア 自分を落ち着かせる陰と陽
自分を落ち着かせるというと
まず思い浮かぶのは自律神経。
副交感神経を優位にもっていきましょうと
いう考え方だ。
鍼灸師はこれを良く知っている。
簡単にいうと、ご飯をおいしく食べれるようにしたり質の良い睡眠を取れるようするとか。
そうするとたとえば、血管も拡がり、瞳孔は縮んで、ゆったりとリラックスした状態に落ち着く。
さて
このところ伊藤絵美さんの著作「セルフケアの道具箱」を患者さんと一緒に学んでいて
100のワークのうちの3番目
自分を落ち着かせるワークとして
「傷つけずに体に強めの刺激を入れる」
というのがある。
面白い。
強めの刺激を入れて、落ち着かせるというのは、どういうことだろう。
もちろん行過ぎた強めの刺激には自傷行為が含まれるだろう
たしかに不適切な対処だが
リストカットをすると落ち着くというのは
鍼灸師的に良くわかる
鍼灸師からすると手首、肺の経絡への
瀉(しゃ)法なのだ。
肺は魄で気をつかさどり、リストカットは気鬱への対処ともいえなくもない。(気鬱へのもっと良い方法はたくさんある)
伊藤さんはもちろんリストカットを肯定しているわけではなく
そういった恐れがある方には、このワークをおこなう場合はドクターや専門家に相談することをすすめている。
自分を落ち着かせるには
どうも
覚醒レベルを下げるやり方
と
覚醒レベルを上げるやり方
あるように思う。
睡眠をとることや副交感神経を優位にすることは前者で
逆に眠気に引っ張られて辛い状況などで
強めの刺激、肌をつねったり、冷たい風をあびたり、ミントのガムを噛んだりしてシャキッとすることで落ち着かせるのは後者になるだろうか。
たとえば
発達障害、ADHDと呼ばれる児童の理解の仕方のひとつに、一見、覚醒レベルが高くてじっとしてられないようにみえるが
そうではなく、実は覚醒レベルが低いのだという理解の仕方がある。
脳の抑制が弱くなっているという解釈だ。
その場合リラックスして落ち着かせるというよりも
うまく覚醒させるほうへむけさせる必要があるかもしれない。
喘息の患者さんも同じで、発作が出た場合、寝かすのではなく起こさなければならない。
うーむ
自分を落ち着かせるセルフケアの陰と陽
色々試してみたいと思う。