販売開始3日で売上100万円を突破した動画講座のリリース戦略 【Lekchaカレッジ vol.1】 - YouTuber 3D Bibi
Lekchaカレッジは、実際にLekcha (レクチャ) 上で活躍中の人気講師からお伺いした「動画講座の作成・販売」に関するノウハウをお届けするシリーズです。
記念すべき第一回目は、3DCG製作ソフト「Blender」の使い方を解説する動画講座「blender1年生の教科書」を販売されているYouTuber「3D Bibi」さん(以下、Bibiさん)に、いかにして販売開始わずか3日で売上100万円を突破するに至ったのか、その戦略についてお聞きしました。
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この記事の要点
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Bibi さんについて
ーー まず、Bibiさんについて教えてください。
YouTubeで「3D Bibi」というチャンネルを運営しており、主に「Blender」という無料の3DCG製作ソフトの使い方に関する解説動画を投稿しています。ちょうど1年ほど前からCGの専門学校にも通い始めまして、「学習と発信」を同時にやっているという状況です。また、TwitterでもCGに関するお役立ち情報を定期的に共有しています。
ーー なにがきっかけでCGを始められたんですか?
デザインを勉強しようかなと考えてた時期がありまして、その時にたまたまBlenderというソフトを知ったのが3DCGとの出会いです。CGというジャンルの将来性や、純粋に「自由で、面白そう」という理由から興味本位で始めてみたんですが、実際に学び始めるとどハマりしてしまい、気づいたら教える側になっていました (笑)。
「blender1年生の教科書」に込めた想い
ーー これまでYouTubeに「無料」の動画を投稿されてきたと思いますが、なぜ「有料」の動画講座を作ろうと思ったんですか?
「CGの独学で挫折する人を1人でも減らしたい」というのが、大きな理由です。僕はこれまで、「CGの楽しさを多くの方に広めたい」という想いから、誰もが無料で見られるBlenderの解説動画をYouTubeに投稿してきました。しかし、どうしても1本1本の動画が断片的な内容になってしまうため、初心者の方が正しい順番で必要な知識をきちんと身につけられず、途中で挫折してしまう、という課題がありました。
また、継続的に質の高い動画をYouTubeに投稿するためには、広告収入とは別で、安定した収益源を確保する必要性も感じていました。
そこで、「初心者を正しい手順で導く体系的な講座」が必要だと思い、有料の動画講座を販売することを決めました。
ーー 有料の動画講座を作るにあたって、どんな点にこだわりましたか?
「YouTubeでの学習体験といかに差別化できるか」という点に一番こだわりました。先ほどもお伝えした通り、YouTubeで独学をする際の最大の課題は「正しい順番で必要な知識をきちんと身につけられない」ことなので、僕の講座では「順番に見ていけば基礎を効率よく習得できるカリキュラム作り」を意識しました。それもあって合計8時間超えの大ボリュームとなっていますが、完全初心者の方でも最短で脱初心者にレベルアップすることができます。
また、講座内の1本1本の動画に関しても、YouTubeに投稿している動画以上に詳しく解説することを心がけました。YouTubeの断片的な解説動画だと、どうしても「ソフトの使い方を真似して終わり」みたいなケースが多いんですが、学習者がきちんと「理解」できるよう、本講座では各機能の使い方や働きについても丁寧に深掘りして解説することを心がけました。
ーー Lekchaで動画講座を作成・販売されてみていかがでしたか?
サービス自体はとても使いやすかったです。体系的な動画カリキュラムの構築から販売ページのデザインまで、簡単に作ることができました。手数料も非常に良心的で、売上の多くが講師に還元されるのはとてもありがたいですね。
また、Lekchaは日本発のサービスということもあり、全て日本語で操作できるのはもちろん、公式LINEを通していつでも運営チームが日本語でサポートしてくれるので、講座販売が初めての私にとっては大変心強かったです。販売直前では価格の相談にも乗ってくださり、ありがとうございました (笑) 。
販売開始3日で売上100万円を突破したリリース戦略について
ーー では、本題の「講座販売」についてお伺いさせてください。こだわりの詰まった質の高い動画講座を作ったとしても、それをたくさんの方に届けるのは決して簡単ではないと思います。実際にリリースを振り返られてみて、なにが今回の大ヒットを生んだ要因だったとお考えですか?
そうですね、今回のリリースの場合、
リリース前から講師としての信頼を着実に積み上げたこと
講座の“魅力”を解説した記事・動画をリリース当日に公開したこと
リリース後も受講生の口コミをSNS上で拡散させて流入を獲得したこと
が、多くの方に購入していただけた要因ではないかと考えています。始めから全てを計画していた訳ではありませんが、結果的に「リリース前・リリース当日・リリース後」の三拍子揃ったリリース戦略を実践していましたね。
1. リリース前から講師としての信頼を着実に積み上げた
ーー 信頼を得るために、どんなことをされていましたか?
動画講座を販売するだいぶ前からYouTubeとTwitterでコツコツ発信をしていたというのが前提としてありますが、特に講座の販売開始一ヶ月前くらいからは、CGやBlenderに関するお役立ちコンテンツの発信を今まで以上に力を入れて取り組んでいましたね。
手始めに、Blenderのショートカットキーをまとめた一覧表を作ってTwitterに投稿してみたんですが、これが思いのほかバズり、合計6000以上の「いいね」が付きました。
ここから、ちょっと狙って情報発信をするようになりましたね (笑)。
CGやBlenderに関するノウハウについて、端的にまとめたツイートを作ったり、がっつり体系的にまとめたnoteを書いたりと、いろいろやりました。noteに関しては3記事書いたんですが、合計で17000以上のPV数がつき、少しはBlenderのことを知ってもらえるきっけかけになったんじゃないかなと思います。
これらの発信の甲斐もあって、リリース前の一ヶ月でTwitterのフォロワー数もだいぶ増えましたね。
こうしたコンテンツを作るときに、「誰に届けたいか」というのを、販売する動画講座のテーマから逆算して考えるのは大事だと思いますね。僕の場合、完全初心者向けのBlender解説講座なので、すでにBlenderに興味があったり学び始めている人(=顕在層)はもちろん、まだBlenderを学んだことがなかったり、なんとなく知っているくらいの人(=潜在層)にも魅力を伝えたいなと考えていたので、両者にとって価値的なコンテンツを作ることを意識していました。
講座のリリース後、実際に購入者の口コミを見てみると、「僕の動画講座をきっかけにBlenderを始めた」みたいな声が結構あったので、先ほどお伝えした「潜在層」の方々にもうまく情報を届けられたんじゃないかなと思ってます。
お役立ちコンテンツ以外にも、僕自身の活動の「想い」を伝える投稿もしていました。「意図的にやっていた」と言うとあれなので裏話にはしておきたいんですが (笑)、やっぱり講座を売ってる人がどんな人なのか、というのは結構気になると思うんですよね。
具体的には、
・Blenderに関する情報発信をする理由
・僕自身の活動理念
・3DCGに興味のある人が一歩踏み出せるメッセージ
といった内容を投稿していました。
また、SNSの投稿以外では「有料の講座を販売する理由」というnoteも書きました。というのも、これまでずっと「無料」のコンテンツをYouTubeに投稿してきたこともあって、「有料」の動画講座を販売することにかなり不安を感じていたんですよね。登録者の方々にどう見られるかな、と。。。
その時にちょうど、Lekchaの運営さんから「有料で動画講座を販売する理由を、登録者さんに直接伝えてみてはどうか?」というアドバイスをいただきました。なので、思い切って僕の真剣な想いを言語化してみようと思い、noteを書いて共有しました。すると、フォロワーさんからとても温かいコメントをいただき、今までの不安が一気に和らいで、とても救われた気持ちになりましたね。
こうした一連の情報発信を通して、少しづつ「この人から教わりたい!」と思ってもらえる土壌を築けたんじゃないかなと思っています。
ーー 他に、リリース前で実践されたことはありますか?
講座の販売直前に、無料モニターを募集しました。これも、Lekchaの運営さんからアドバイスをもらった施策なんですが、
・販売前に講座のフィードバックをもらうことで、中身の最終確認を行う
・モニター当選の条件である『Twitterアカウントのフォロー&リツイート』で講座の事前認知を広げる
ことを目的として実施しました。以下がモニター募集のツイートなんですが、合計で400以上リツイートされました。
あとは、「講座のリリース当日に、受講の感想をTwitterで投稿してもらう」という狙いもありました。これに関しては、「リリース後」の販売戦略にて詳しくお話しできればと思います。
2. 講座の“魅力”を解説した記事・動画をリリース当日に公開
ーー リリース当日は、文字通り「講座を宣伝する」大事な日ですが、宣伝の仕方で工夫した点などはありますか?
「お金を払ってでも買う価値がある」と思ってもらえるよう、できる限りの情報をバランスよく詰めて、購入前に疑問点が残らない状態を作ることを意識していました。動画講座って、実際に購入するまではなかなか実態が見えないんですよね。なので、僕が持っているすべてのメディア(Twitter・YouTube・note)を活用して、講座の魅力を伝えました。
「伝え方」も実は工夫していて、メディアごとの役割を踏まえた上で、以下のような導線を設計しました。
まず、紹介動画 (Twitter・YouTube) を通して講座に興味を持ってもらう。
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次に、紹介記事 (note) で講座の具体的な内容について理解してもらう。
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最後に、販売ページ (Lekcha) で講座を購入してもらう。
お伝えしたように、購入前に感じる「疑問」を少しでもなくしたいと考えていたので、販売ページに訪れた際には「あとは買うだけ」の状態にできるよう、このような導線にしました。
「理解」という一番重要な役割を担っている紹介記事 (note) は、かなり力を入れて作りましたね。講座に関する様々な情報をまとめていますが、中でも以下の項目が、購入者にとって重要な判断ポイントになると考えています。
① 実際の受講体験
動画講座は、買うまで「中身」がほとんど分からないという課題があります。講座のクオリティはもちろん、受講時の様子をイメージしてもらえるよう、実際に講座内で扱っているレッスン動画を一部無料で公開しました。
② YouTubeとの違い
冒頭でお伝えした通り、YouTubeにある無料の解説動画だけでは独学が難しい・効率が悪い、と感じている人が僕の講座の対象者です。「YouTubeとは全然違う」と感じてもらえるよう、順番に見ていけば基礎を効率よく習得できるカリキュラムになっていることや、Blenderのショートカットキーをまとめた計44枚のPDF資料が特典として付いてくることなどを伝えました。
③ 価格の妥当性
これまで「無料」で学んできた人たちにとっての一番のハードルは「価格」です。「なぜこの価格なのか」を合理的に知れた方が、買う側の納得感も増すと思うので、設定した背景をそのまま伝えました。
3. リリース後も受講生の口コミをSNS上で拡散させて流入を獲得
ーー リリース後のTwitterでの反響すごかったですね!ここでも、講座認知のために実践されたことはありますか?
事前に募集した3名の無料モニターさんに、「リリース当日に受講した感想をTwitterでシェアしてほしいです!」とお願いしました。そしたら皆さん快くシェアしてくださり、なんと感想をまとめたnoteまで作成してくださったモニターさんもいらっしゃったので、とても嬉しかったです。
これが口火となり、僕が「#blender1年生の教科書」という講座名にちなんだハッシュダグを用いて投稿を呼びかけると、多くの方が講座の感想ツイートをTwitterに投稿してくれました。実際に「#blender1年生の教科書」のハッシュタグが付いたツイートを数えてみると、なんと150件以上もあったので驚きました (笑)。ハッシュタグが付いてない感想ツイートもたくさんあるので、そう考えると本当に多くの方に感想をシェアしていただけましたね。ありがたい限りです。
動画講座に限らず、何か商品を購入する前って「レビュー」がすごく大事だと思うので、これらの感想ツイートを通して、実際の講座の様子をよりリアルに届けられたんじゃないかなと思っています。正確に分析したわけではないですが、講座の売上にかなり貢献した要素ではないかと考えています。
あと、これは実際にみなさんの感想ツイートを見て気づいたことなんですが、受講途中の段階でもツイートしてくれてるんですよね。これ何故かと言いますと、僕の講座では、Blenderの基礎を学んだ後、実践編として3つのCG作品を作っていくというカリキュラムがあるんですが、みなさん、1つ作品を作り終えると、そのタイミングで完成品を載せてシェアしてくださっているんですよね。さらに、2つ目の作品、3つ目の作品と連続で投稿してくださる人もいたりして、「1人の受講者から複数の口コミが生まれる」という現象が発生していました。やっぱり、学んだものが実際に形になると嬉しくなりますし、それを他の人に見せたら学習のモチベーションにもつながると思うんです。なので、一応講座の中で「作品が完成したら、ぜひSNSで共有してみてください」と投げかけてはいたんですが、それが功を奏しましたね (笑)。
ーー 他に、リリース後で実践されたことはありますか?
リリース記念の割引キャンペーンが終わる2日前と前日に、リマインドのツイートをしました。
前日に限っては、終了6時間前と3時間前で細かくリマインドをしたんですが、ここでかなり多くの方が購入してくださったので驚きました。
ーー 怒涛のリリース劇だったんですね。ちなみに、リリースからひと段落した今の売れ行きはいかがですか?
毎日3~5名くらいの方が買ってくださってますね。リリース時はキャンペーン価格で販売していたこともあり、「定価に戻した後は購入がピタッと止まるかな?」と思ってたので、ちょっと予想外でした (笑)。リリースしてから1ヶ月ほどが経過しましたが、おかげさまで受講生さんの数も900名を超えました。
最後に
ーー 既に次回作の計画をされていたりしますか?
もともとは計画してなかったんですが、講座を受講してくださった方々から「次の講座も楽しみにしてます!」みたいなコメントを結構いただきまして。なので、2本目の講座作成も、YouTubeの動画投稿と並行してやっていこうと考えています。講座のテーマとしては、今作よりもレベルアップした内容を学びたい、というリクエストが多かったので、続編という意味で「blender2年生の教科書」みたいな感じで出してみるのも面白いかもですね (笑)。
ーー 最後に、動画講座を検討されている方に向けて、メッセージをお願いします!
これは僕自身が講座作成中に意識していたことでもあるんですが、「完璧よりも完成を目指す」ということですね。最初から細かい部分にこだわったりしていると、なかなか前に進まず、途中で挫折しちゃう人も多いと思うんです。僕も「しんどいな。。。」と思った時が何回かありました。講座作成って決して楽な作業ではないので、まずは完成させることが非常に大事だと思います。もし修正点があったとしても、あとから必要な箇所だけ撮影・編集し直せばいいので。ここは、動画講座の良い点でもありますね。
ーー Bibiさん、ありがとうございました!
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今回は、3DCG製作ソフト「Blender」の使い方を解説する動画講座「blender1年生の教科書」を販売されているYouTuberのBibiさんに、講座のリリース戦略についてお話をお伺いしました。
Lekchaカレッジでは、今後もこのような講座作成・販売に関するノウハウを、実際にLekcha上で活躍中の人気講師にインタビューして皆様にお届けしていきますので、気になる方はぜひフォローしていただけると嬉しいです。
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