フランス生活1年目を終えた心境。
ビザの切り替えという大目的があり一時帰国をしたわけですが、年末年始もそのまま日本で過ごしたいという想いが捨てきれず結局かなり長い間日本で過ごしています。秋の終わりから冬の日本は本当に最高でした。
一時帰国直前の日記を読み返すと、こんなことを書いていました。
さて、フランスで過ごした1年間の振り返りをしようと思います。フランスやパリの好きなところはこちらで書きました。
色々な出会いがありました
日本では交わらなかったであろう日本人たちと出会うことが出来ました。本当にパリは色々な人が集まります。日本人もめちゃくちゃいます。(調べたら在仏日本人は3万人超いるそうで、そのほとんどがパリに住んでいるそうです)
大学のアルムナイの方や前職繋がりの人たちとも会いましたが、まったく違うコミュニティの人たちとの出会いも多くありました。
これは海外に住んでいるからこそ出来たことかなと思います。私はどちらかというと人見知りなので新しい出会いの場に行くのはかなり勇気がいります。
ただ、海外に住んでいるという特異な状況を活かし色々イベントに参加しました。今も友情が続いている人もいれば、今のところ1回キリの人もいますが、それぞれ色々な理由・目的があって異国に住み、みんな頑張っているんだなということを知ることができたし、そういう細い繋がりから今後何かに発展することもあると思います。
駐在で日本に家族を置いて単身赴任で来ている人、家族と一緒に移り住んでいる人、フランス人のパートナーと住むために来ている人、単身で来て起業している人、現地の企業で働いている人、国際結婚の人、海外大に進学した人などなど。
「フランスにいる」という共通点だけで集まった面白い出会い。自分が普段どれだけ狭いコミュニティの中で生きていたのかを改めて知りました。沢山の楽しい出会いに感謝しています。
日常が初めてのおつかい状態、サバイバル
日本で生活をしていると当たり前に出来ることが、海外ではハードルが高かったりします。例えばパン屋さんにクロワッサンを買いに行くとか、スーパーに食材を買い出しに行くとか、日本への手紙を出しに行く、そういうことだけでも冒険です。特に引っ越し当初は、外出するたびに初めてのおつかいを頼まれた幼稚園生のような心境になっていました。
数年前に比べて英語が通じるようになったと感じるパリですが、それでも基本的にはコミュニケーションはフランス語です。この1年で挨拶の次に1番使ったフランス語は間違いなく "Je suis désolé, mais je ne parle pas très bien français.“(すみません、フランス語があまり上手じゃないんです)です。
Monoprixというスーパーにはセルフレジがあります。それでよく利用していたのですが日本みたいに性能が良くありません。時々レジが固まってしまったりエラーになることがあります。その時に店員さんを呼ばなければいけないのですが、それがめちゃくちゃ緊張します。
"Excuse-moi(すみません、、)"と言うまでは良いのですが、そのあとが続かず困った顔をして画面を示すのみ。それを見て店員さんは慣れた手つきで画面を操作して直してくれます。
ある日Monoprixで会計をしようとしていた時、財布を忘れたことに気づき(サザエさん)、何とか説明して食材でいっぱいのカゴをそのまま取って置いてもらえたことがありました。財布を取りに帰って戻ってきた時に、いつもクールな表情の店員さんが笑いながらちゃんとカゴを持ってきてくれたのがすごく嬉しかったのを覚えています。
そんなこんなで日常の小さなミッションをクリアするたびにとても嬉しくなる海外生活です。それだけでその日中ハッピーな気持ちで過ごせます。
まだまだフランス初心者なので、ひよこマークのピンバッチかなんかを付けて歩きたいです🐣🔰。それを付けていたらもれなくみんな優しく接してくれる仕様だったらいいのに。
価値観を再確認する時間を持てた
同期たちは"立派"なキャリアを歩んでいる中、自分はフランスで一体何をしているんだろう?いわゆる良い大学を卒業して都内でバリバリ働いた社会人の数年間を無駄にしているのではないか?と思うことも正直何度もありました。
東京で仕事に追われて軽い鬱のようになっていた時は、どこかに逃げてしまいたいと毎日思っていたけど、いざ離れてみるとその時の忙しさが恋しくなることがたまにあります。
でもそれって誰かの物差しで測っていないか?私にとって働くとは?生きるとは何なのか?
仕事やキャリアを中心に置いて考えていた生活から少し距離を置いて改めて自分の価値観に向き合った1年でした。また物理的に日本から離れて色々な生き方をしている人たちと出会ったことにも少なからず影響を受けたと思います。
シンプルに「毎日を楽しく過ごしたい」と思うようになり、実際にそれを意識して過ごしていました。
日本で働いている時は「ここではないどこか」を常に考えていて、日常の小さなことを心から楽しむ精神的・時間的余裕がなかったように思います。
そしていわゆるフルタイムで正社員として働くことを少しお休みして、そうではない働き方を自分がどれだけ出来るか?合っているのか?と実験をしてきた日々でした。まだ稼いでいる額もやっている内容も含めて目標には程遠いです。まだ実験の途中段階なので来年も続けていき、更にパワーアップしていきます。
思い切って正社員を退職して海外に来たからこそ挑戦できた働き方やライフスタイルかなとは思うので、また色々共有出来るようになったらnoteでまとめようと思います。
海外に暮らすということ、帰る場所がある有難さ
日本の家族や友達と離れて暮らすのが結構辛いなと思う瞬間も何度もありました。特にヨーロッパだと距離も遠いし、もし何か家族に起こったときにすぐ駆けつけることは簡単ではありません。特に今後このままヨーロッパに住むことになった場合のことを考えるとたまに不安になります。ヨーロッパに限らず海外生活において最も大変な要素の1つではないでしょうか。
それでも、今年両親が念願のヨーロッパ旅行に来てくれ一緒にフランスやイタリアを巡れたことは一生の思い出になりましたし、日本から友人も訪ねて来てくれました。「Kikiが住んでいるから来ようと思った」と口を揃えて言ってくれて、誰かの「フランスに行く小さなきっかけ」になった気がして嬉しかったです。
私の家族や友人たちにとってフランスは「kikiも住んでいる国」になっていると思うし、私にとって九州の地元は「大切な家族が住んでいるホーム」であり東京は「大切な友人たちが住んでいる第2のホーム」でもあります。会いたい人たちがいることで、その場所がただの国や都市ではなく、私にとってもっと特別な場所になっています。
日本もフランスも好きです。その2つにホームと呼べる場所があることが有難く、私にとってそれはとても幸せなことだなと改めて感じました。
どこに住んでいても自分のご機嫌を取れるということ
住む場所を変えたとて悩みが尽きることはありません。その点、自分のご機嫌を取る方法をフランスに来る前から熟知していたことは良かったなと思います。それと同時にどこに住んでいるとしても自分を満たしてくれることはそんなに変わらない、シンプルなことなんだなと学びました。
散歩をする、音楽を聴く、ギターを弾きながら歌う、ジャーナリングをする、お茶を飲む、軽い運動をする、ハーブに頼る、家族や友達と話す、映画を見るなどなど。
日本にいてもフランスにいても気軽に実践できることばかりです。
というわけで来月フランスに戻ります。フランス生活は2年目に突入します。私自身、数か月から1年までの海外生活は経験したことがあったのですが2年以上は今回が初めて。日本に次いでフランスが一番長く住んだ国になります。
2024年は沢山の変化があった年ですが、2025年も更に変化がある年になりそうです。思い切り挑戦して充実した日々にしていきたいです。
▼フランス暮らしの様子をYouTubeにもたまに更新しているので是非見てください。