ファインダーを覗く
スマホの普及で写真は液晶画面を見て撮影するのが当たり前になった。コンパクトカメラも一部の高級機を除き、液晶画面のみで撮るタイプがほとんどで、ファインダーを覗いて撮るカメラは一眼タイプぐらいである。しかし撮るという行為はファインダーを「覗いて」撮る方がしっくりとくる。ファインダーを通して見ることは被写体と1対1の関係になれるような気がする。僕が脚を撮るときも勿論ファインダーを覗いて撮る。そうすることでファインダーの暗闇に映し出される脚と会話しているような気分になれるからだ。
ミケランジェロ・アントニオーニの映画「欲望」は昔の映画なのでニコンの一眼レフ(勿論アナログ)が脇役として活躍する。ファンダーを覗いて視姦するシーンがあるが、もしこの映画で液晶画面を見ながらシャッターを押したら興ざめかもしれない。現在公開中の映画、安部公房原作の「箱男」もダンボール箱に開けた窓から外界を覗く男のストーリーで是非観てみたいと思う。
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