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3人の平山周吉。

ETVにて『生誕120年没後60年 小津安二郎は生きている』の再放送を見た。
そこには三人の平山周吉がいた。
小津が作り出した『東京物語』の
主人公の平山周吉。
小津研究者の平山周吉氏。
ヴェンダースが作り出した
『PERFECT DAYS』の平山。

小津安二郎が、戦地で病死した後輩
山中貞雄監督への想いを認めた、
「詮無いことだが、諦めきれない程惜しい男を失くした」
という言葉に涙が止まらなかった。

人は皆忘れえぬものを携えて生きる。

平山氏の解釈により、ある意味
これまで掬いきれていなかったことや、
はっきりとしなかったことが腑に落ちた。

小津監督は、
自身の60歳の誕生日にこの世を去った。
僕自身は今59歳。
60歳の誕生日まではあと8ヶ月を切っている。
思えば間違いだらけの人生で、
時に我を失い恥をかき続けてきた。
それでも、そんな自分や失くしたものを
携えて新しい作品に向かおう。

小津安二郎作品に会えたことに感謝。
改めてそう感じた。
そして今を生きる。

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