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朝、詩を書き写すことで得られた心の落ち着き
New York Times Magazine のLetter of Recommendationにこんな記事がありました。
ライターのCharley Lockeさんは、パンデミックの頃、つまり今から5年ほど前から、朝起きたらインデックスカードにあらかじめ写してある詩を数行、書き写して覚たそうです。
起きてすぐスマホを触っちゃいますよね、普通は。
彼女もそうでした。
いつもアラート音がなり、大量のメールやメッセージに疲れていたので、気分転換に映画を見たり、小説を読んだりしようとしたそうです。
しかし、なかなか集中することができなかったので、試しに短編小説や詩を読むことにしました。
短いのでそんなに負担になりません。
そのうち、詩のなかの言葉が彼女を癒していったようです。
詩の言葉が、彼女の頭の中に残り、厳しい現実の世界を生きる力になっていきました。
やがて、Charley さんは詩が自分の世界を見る目を変えたことに気がつきました。
In the years since, these morning poems have changed how I live. They’ve altered my mental rhythm, made me more comfortable with the idiosyncrasies of my own mind, which in turn makes me more confident in my voice and taste. Mostly, they’ve made me better at noticing:
(中略)
I think I’m more perceptive, a better observer of both art and the people I love.
Published Feb. 25, 2025, The New York Times Magazine
詩は彼女の生き方を変え、思考のリズムを変えた。
自分に寛容になることができた。
自分の声や好みに自信を持てるようになった。
そして、詩は彼女に「気づく力」を与えてくれた。
感受性が鋭くなり、芸術にも愛する人たちにも、より深く目を向けられるようになった。
Charley さんはそう振り返ります。
詩や言葉は強い力があるんだとあらためて思います。
たくさんの詩人たちの言葉に触れることで、いろいろな世界の見方を知り、好きな一節や一行があれば、それはずっと心の中にとどまって私たちの一部になりますね。
先日、奈倉有里さんの『文化の脱走兵』でも触れられていた、詩を読むことでさまざまな時間軸を生きることができる、というお話を思い出します。
Charley さんのように、朝の習慣として「起きてすぐに言葉の世界に遊ぶ」のも素敵ですね。
1日をいい気分で始められそうです。
あ、詩もいいけれど、俳句や短歌も、朝書き写すにはちょうどいい長さかもしれません。
来月は、これ真似してやってみようかな。