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#16 「塩野義製薬事件」大阪地裁

2003年12月3日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第16号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 参考条文

★労働基準法 第14条(男女同一賃金の原則)
「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」

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■ 【塩野義製薬(以下、S社)事件・大阪地裁判決】(1999年7月28日)

▽ <主な争点>
女性であることをのみを理由として生じた男性従業員との賃金格差

1.事件の概要は?

本件は、S社の従業員だったAが、同社に在職中、女性であることを理由に昇給差別を受け、同期入社、同職種の男性との間で能力給について月10万円以上の格差がついたことが、不法行為および労働契約の債務不履行にあたるとして、同期入社、同職種の男性従業員(5人)の賃金の平均額とAに支給された賃金との差額相当の損害賠償金および差別による慰謝料等の支払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<Aについて>

★ Aは、薬科大学を卒業後、昭和40年4月S社に正社員として入社し、本社製品部に「DI(ドラッグ・インフォメーション)担当者」として配属された者である。当時、大卒薬系男子でDI担当者などの一般事務職に配属される者はいなかった。

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<Aが退職するまでの経緯等について>

▼ Aは54年6月、36歳でS社における女性初の製品担当(以下、製担)となった。

★ S社では「製担」を担当する製品の責任者として位置付け、担当薬剤の説明方法の設定、医薬情報担当者(以下、MR)の教育、生産管理等の職務を与えていた。「DI担当者」は「製担」を学術面で補佐する職種であり、また「MR」は病院等に対して薬品の宣伝を行い、医師等から医学、薬学に関する情報を入手することを職務としていた。

▼ 平成3年4月、Aは48歳で課長待遇に昇格したが、その時点において、製品部で課長待遇の女性はAのみであった。

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