
#255 「三洋アクア事件」名古屋地裁一宮支部(再掲)
2010年3月17日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第255号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 参考条文
★ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に
関する法律(以下「派遣法」という)
第40条の5 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(第四十条の二第一項各号に掲げる業務に限る。)について、派遣元事業主から三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けている場合において、当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該三年が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の派遣労働者に対し、雇用契約の申込みをしなければならない。
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■ 【三洋アクア(以下、S社)事件・名古屋地裁一宮支部判決】(2009年8月4日)
▽ <主な争点>
派遣社員に対する雇用契約申込義務の有無等
1.事件の概要は?
本件は、派遣会社に雇用・派遣登録され、S社の中部営業部において、セールスエンジニアの営業の業務に就いているXが同社に対し、雇用契約の申込みをなすことを求めたもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<S社およびXについて>
★ S社は、業務用クリーニングシステム等を製造販売する会社である。なお、同社の社名は平成17年3月頃までは「三洋電機テクノクリーン」であり、その後20年3月頃まで「三洋電機テクノクリエイト」であった。
★ Xは、平成10年11月、三洋ヒューマンネットワーク(以下、SHN社)に雇用され、派遣登録された。なお、SHN社は18年3月頃、リクルート三洋ヒューマンネットワークと商号変更している。
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<XのS社における業務等について>
▼ XはSHN社に雇用・派遣登録された直後から今日に至るまで、一貫して、S社の中日本営業部(現在の中部営業所)において、セールスエンジニアの営業の業務に就いている。
★ なお、上記業務は「派遣法」40条の2第1項第1号の業務に当たる(派遣法施行令4条25号)。
3.派遣社員Xの言い分は?
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