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#173 「岡部製作所事件」東京地裁(再掲)

2007年2月14日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第173号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【岡部製作所(以下、O社)事件・東京地裁判決】(2006年5月26日)

▽ <主な争点>
部長職に対する賃金減額/労基法41条2号「管理監督者」該当性

1.事件の概要は?

本件は、O社の営業開発部長の職にあったXが、(1)従前の給与総額計47万円であったところ、平成14年10月から15年3月までは、2割減の37万6000円に、15年4月以降は、1割減の計42万3000円に、それぞれ賃金の一方的減額を受けた、(2)休日出勤したにもかかわらず、それに見合う割増賃金等が支払われていないとして、減額前の賃金との差額および休日出勤による時間外割増賃金を付加金とともに請求したもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<O社およびXについて>

★ O社は、プラスチック成形・加工等を業とする会社である。同社には収益部門として、LX営業部、佐倉工場および青梅工場の3部門があったが、青梅工場の収支決算は、12年4月以降から赤字になり、合理化および経営改善が求められていた。

★ Xは昭和55年9月、O社へ入社し、約25年の間、技術・開発・営業・製造を中心とした業務に従事してきた。平成12年には青梅工場の営業開発部長となり、14年時点では営業・商品開発業務を担当していた。業務遂行に際して、過去に部下が1名いた期間はあるものの、大半の期間はXが1人で遂行している。

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<Xの賃金および減額措置に至った経緯等について>

▼ Xには賃金月額として、13年4月以降、基本給34万円、住宅手当2万円、管理職手当11万円の合計47万円が支給されていた。

▼ O社は14年10月、Xに対して、「給与減額通知」なる書面により、Xの賃金を従来の支給総額47万円から20パーセント減額し、月37万6000円とする旨を一方的に通告し、同月から15年3月までの支給分を、本来の賃金よりも9万4000円少ない37万6000円を賃金として支払うのみであった。なお、O社は役員を含む青梅工場幹部について5~20パーセントの減俸を実施した。

▼ O社は15年4月、Xの賃金につき、Xとの合意なく、基本給29万3000円、住宅手当2万円、管理職手当11万円として、同年4月支給分以降本訴提起に至るまで、本来の賃金よりも4万7000円少ない42万3000円を賃金として支払うのみである。

▼ O社は青梅工場の赤字経営が続いたため、15年1月から17年3月まで、役員を含む従業員につき、一律10パーセントの減俸とし、17年4月以降は減俸の割合を5パーセントまでに戻した。

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<O社の給与規程等について>

★ Xは部長職にある者として、O社においては管理職の地位にあり、管理職手当として月11万円の定額支給を受けていた。O社の給与には基準内賃金として基本給、家族手当、住宅手当および役付手当があり、基準外賃金として時間外手当、休日出勤手当、特別手当、昼食手当がある。

★ O社の給与規程によると、休日出勤手当に関し、労働基準法(以下「労基法」という)に定める法定休日における出勤の場合と当該法定休日が確保され、その他の休日に出勤した場合の割増賃金について定められている。

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