#149 「三光純薬事件」東京地裁(再掲)
2006年8月23日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第149号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 【三光純薬(以下、S社)事件・東京地裁判決】(2002年9月9日)
▽ <主な争点>
定年退職者に対する賞与の支給日在籍要件適用の有無
1.事件の概要は?
本件は、平成14年6月9日にS社を定年退職したXが、同年6月20日支給分の賞与の支払いを受けられなかったとして、その支払いを請求したもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<Xについて>
★ Xは昭和44年7月、S社に入社し、平成14年6月9日、満60歳に達して定年退職した同社の元従業員である。
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<S社と労働組合との取り決め等について>
▼ S社と労働組合(以下「組合」という)は、14年5月、同年度の賞与等について協定書を取り交わした。同協定書の中で同年夏季賞与については、(1)対象者一人あたり基本給+家族手当月額の2.4倍にすること、(2)計算期間の13年10月1日から14年3月31日までの間の出勤率に基準支給額を乗じた額とすること、(3)支給対象者は3月末日現在在籍し、支給日当日在籍する者とすること、(4)支給日は同年6月20日とすることが取り決められた。
★ S社と組合は昭和59年度春闘での労使合意事項において、賞与支給日は、夏季が6月20日、年末が12月5日と決められ、それ以降この取り決めにしたがった賞与支給日が定められていて、すでに規範意識としての労働慣行となっている。
▼ XはS社との間で賞与支給の交渉をしたが、14年6月支給の賞与の支払を受けなかった。
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<S社の給与規程について>
★ S社の給与規程には、次の規定がある。
第62条 賞与は会社の業績に応じ、本人の勤務成績を考慮し支給する。
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