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#334 「クボタ事件」大阪地裁

2013年4月17日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第334号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【クボタ(以下、K社)事件・大阪地裁判決】(2011年10月31日)

▽ <主な争点>
派遣社員と派遣先会社との間に就労当初から黙示の雇用契約が成立していたか等

1.事件の概要は?

本件は、Aら7名が甲社、Bら10名が乙社、Cら6名が丙社とそれぞれ雇用契約を締結し、K社の工場に派遣され、K社関連会社への労働局の是正指導の後、平成19年4月1日付でK社との間で期間の定めのある直接雇用契約を締結したが、上記工場でそれぞれ就労を開始した当初から、K社との間で黙示の直接雇用契約が成立していた、仮に同雇用契約が成立していないとしても、その後に締結された本件直接雇用契約の期間の定めの部分は、(1)心裡留保により無効である、(2)公序良俗に反し無効であるなどとして、K社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<K社、甲社らおよびAら計23名について>

★ K社は、内燃関連機器の製造等の事業を行う会社で、平成21年3月31日現在の従業員数は連結で2万4464人、単独で9541人である。同社と甲社・乙社・丙社との間には資本関係や人事上の交流関係はない。

★ Aら7名は、甲社との間で雇用契約を締結し、18年9月以降、19年3月までの間、K社の工場に派遣され、構内作業業務に従事していた。

★ Bら10名は、乙社との間で雇用契約を締結し、17年8月以降、19年3月までの間、上記工場に派遣され、構内作業業務に従事していた。

★ Cら6名は、丙社との間で雇用契約を締結し、17年8月以降、19年3月までの間、上記工場に派遣され、構内作業業務に従事していた。

★ 甲社らはそれぞれ就業規則等を作成しており、Aらに対しては、甲社らそれぞれが雇用主として、賃金を支給し、雇用保険、健康保険、厚生年金保険を掛けていた。

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<K社関連会社への労働局の是正指導、本件直接雇用契約等について>

▼ 18年12月、K社の関連会社は大阪労働局の立入調査を受けたところ、その際、労働者派遣法40条の2第1項の「派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない」との規定に違反するとの是正指導を受け、その是正のための措置として、「派遣労働者の雇用の安定を図るための措置を講ずることを前提に、上記の違反事項に係る労働者派遣の役務の提供を受けることを中止すること」との指導を受けた。

▼ 19年1月、K社は製造派遣社員のうち同社での直接雇用を希望する者を同年4月1日付で契約社員として直接雇用することを決定した。

▼ AらはK社が用意した「契約社員労働契約書」に署名押印して、同社に交付したところ(以下「本件直接雇用契約」という)、同契約書には雇用期間が19年4月1日から同年9月30日までの6ヵ月とする旨の記載があったが、Aらは期間の定めについて特段の異議を留めることはなかった。

▼ その後、AらはK社との間で本件直接雇用契約を6ヵ月ごとに3回更新したが、21年4月1日以降の契約更新は行われなかった。

3.元社員Aらの言い分は?

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