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#360 「日本ヒューレット・パッカード事件」東京地裁

2014年5月7日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第360号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【日本ヒューレット・パッカード(以下、H社)事件・東京地裁判決】(2012年7月18日)

▽ <主な争点>
精神的不調を訴える労働者の解雇など

1.事件の概要は?

本件は、H社に雇用されていたXが、同社が平成21年6月30日に「勤務態度が著しく不良で改善の見込みがないと認められるとき」(H社社員就業規則37条8号)に該当するとしてなした解雇の効力を争い、H社に対し、労働契約上の地位にあることの確認、解雇された後の未払賃金(解雇予告手当として支払われた額を除く)、夏季賞与および冬季賞与、遅延損害金等の支払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<H社およびXについて>

★ H社は、電子計算機・電子計算機用周辺機器等の研究開発および製造販売その他を目的とする会社であり、平成20年11月現在の従業員数は約5800名である。

★ Xは、平成14年11月のC社とH社との合併によりH社の従業員となった者であり、21年6月当時は同社テクノロジーサービス(TS)統括本部に所属し、社内ウェブのメンテナンス、サポート業務に従事していた。

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<H社の社員就業規則について>

★ H社の就業規則(以下「本件就業規則」という)には、次のような定めがある。

(退職および解雇)
第37条 社員が次の各号の一に該当するときは、雇用を解く。
(中略)
8)勤務態度が著しく不良で改善の見込みがないと認められるとき

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<XのH社における業務の概要、本件解雇等について>

▼ Xは18年11月、パートナービジネス開発推進本部に異動となり、パーツビジネス部のFRU(Field Replacement Unit)情報管理担当として、保守部品のプライスリストについて、データを修正して更新する業務を担当していた。

▼ Xは19年6月、TS統括本部に異動となり、マーケット分析業務および競合調査のプラン作成業務を行い、同年11月以降はTSの組織内で用いるウェブサイトの管理業務等に従事していた。

▼ H社は21年6月30日、Xに対し、解雇通知書をもって、同日付で解雇すると告げ(以下「本件解雇」という)、同年7月23日に解雇予告手当名目で46万3100円を支払った。なお、H社がXの加入している東京管理職ユニオンに対して送付した「X元社員に対する解雇事由」と題する7月31日付の書面には、本件解雇の理由として以下の記載がある。
「本件就業規則37条8号 勤務態度が著しく不良で改善の見込みがないと認められるとき」

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