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#107 「リゾートトラスト事件」大阪地裁

2005年10月12日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第107号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 参考条文

労働基準法 第41条(労働時間等に関する規定の適用除外)

この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

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■ 【リゾートトラスト(以下、R社)事件・大阪地裁判決】(2005年3月25日)

▽ <主な争点>
係長職であった元従業員が労働基準法上の管理監督者に該当するか等

1.事件の概要は?

本件は、タイムカードによる時間管理をされておらず、時間外手当に相当するものとして、「ライン職給」名目で毎月4万円の支給を受けていた係長職のXが退職後、R社に対し、労働基準法(以下「労基法」という)上の管理監督者には当たらないとして、未払い時間外割増賃金等の支払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<R社およびXについて>

★ R社はホテル・レストラン等の経営、会員制ホテル会員権の販売等を事業目的とする会社である。

▼ Xは平成8年8月、R社に入社し、東京管理部等で経理業務に従事した後、14年12月に大阪管理部の経理課係長係責の職に異動となったが、15年7月をもってR社を退職した。

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<R社における勤務時間の管理および手当の支給等について>

★ R社では、資格等級を10段階に区分し、上位5段階を「管理職掌」または「専門職掌」、中位2段階を「指導監督職掌」、下位3段階を「一般職掌」としていた。

★ 「管理職掌」とされる役職には課長代理も含まれ、課長代理には「課責」または「係責」という役責が付与されていた。また、係長は「指導監督職掌」に位置づけられており、役責の対象とはされていなかった。

★ 役責を有しない社員については、勤務時間をタイムカードにより管理し、時間外労働については実績の申請に基づいて手当を支給する扱いとしていたが、役責を有する社員については、タイムカードによる勤務時間の管理をせず、時間外労働の実績申請の制度もなく、管理監督職に対してはライン職給、指導監督職に対しては、時間外勤務手当相当分として係責職給がそれぞれ支給されることになっていた。

★ 同じ係長の役職にある者でも係責の役責を有する者と有しない者がいたが、係責の社員についても出勤簿による管理があり、総務課の職員が朝礼の際に出勤状況を遅刻の有無を含めて確認していた。

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<大阪管理部在職中のXの時間管理、業務等について>

★ 大阪管理部在職中、Xはタイムカードによる時間管理はされておらず、時間外手当に相当するものとして、「ライン職給」名目で月額4万円の支給を受けていた。

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