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西武・武内投手のクイックをみて思い出したクイックの上手い元ホークス戦士二保投手

昨日(5/19)の西武戦、TVで観戦していて西武のドラフト1位武内夏暉投手の完成度の高いピッチングに将来は日本を代表するいい投手になりそうだなと感じた。しかも、ピッチングはともかくクイックも上手いのである。

武内投手は、ホークスも去年のドラフトで指名し抽選で外してしまったという経緯がある。
今のチーム状況を考えると贅沢だが、北九州出身の期待の投手。やっぱり欲しかったなと終始思っていた。

2回裏2アウト、ゲッツー崩れで1塁に残塁していた川村選手が牽制で刺されてしまう。もとから武内投手はクイックが上手いとの情報はあり、川村選手も警戒はしていたと思う。それでも刺されてしまったのだ。

この試合をみて、昔クイック上手いなと感じたホークスの選手がいた。二保旭投手(現:ロッテ)である。
実は二保選手のクイックは論文にもなっている。

二保投手について簡単に説明する。
2008年育成2位でホークスに入団。2015年に6勝、2020年に4勝をあげるも、2021年に中谷将大選手とのトレードで阪神に移籍。投手力のある阪神投手陣の厚い壁に阻まれ2023年に戦力外をうけた。ロッテの入団テストをうけ、今シーズンからロッテに所属している。
なんと前述した論文の著者、当時ホークスの投手コーチで現在はロッテを率いる吉井理人監督である。

実は私も二保選手のクイックをみたことがある。
2020年8月8日の楽天戦、仙台で現地観戦していた。一塁側内野席でコロナ禍で観客数制限がかかっていたため投手から一塁手までフィールドがきれいに見えていた。
その日雨が降っていた中、感じたのはニ保投手のクイックのうまさだった。(その時に吉井さんの論文について知った)

これはあくまでも所感なので、実際のデータを確認する。

まず、例として甲斐キャノンを示す。ご存じの方も多いと思うが、2018年の日本シリーズでカープ相手に6連続盗塁刺のシリーズ記録を樹立し、日本シリーズMVPに輝いたのであった。

ここで、捕手の二塁送球におけるタイムの一般論を述べておこう。1990年代頃から現在に至るまで、プロの目安としては、「2秒を切ること」といわれてきた。

 この目安は、「俊足の一塁走者がスタートしてから二塁ベースに到達するまでに、ベストに近いスタートがきれた場合は3秒50前後」といわれているのがベースになっている。それに対して、投手のクイックモーションが1秒30、捕手の二塁送球が2秒ジャストであれば、二塁送球を捕球した野手がタッチする時間の0秒10~20程度を加えても3秒40~50となり、走者と勝負できるという算段だ。(以下略)

この記事は捕手の二塁送球タイムの及第点が2秒のなか甲斐捕手が1.7〜1.8秒。この0.2秒の速さが甲斐キャノンなのだということを示している。

ここで示す一般的な投手のクイックモーションは1.3秒である

この記事内では平均は1.2秒とされているが、二保投手のクイックは1.1秒をきり、2014年当時は1.0秒程度だったという。
平均よりも0.2〜0.3秒速いクイック。これは平均的な捕手でも2018年頃の甲斐捕手並の盗塁阻止を理論的には出来るということになる
記録には残らないデータではあるが、際立った能力である。ただ残念ながら通年で活躍できた年がなく日の目を見ない状況になっている。実にもったいない。

一級品のクイックモーションをもつ二保投手。吉井監督もこの技術に期待を寄せていると思う。まだ34歳、ここからの活躍に期待したい。


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