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【題名も秀逸】USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?
皆さまお疲れさまです!マツドロップです。
今回は、とっても面白かった本をご紹介します。
2016年出版ですが、全く古くなく、学びが多かったです。
なんといってもタイトルが秀逸です。
印象に残った内容を共有させていただきます。
【いきなりピンチの連続】
経営が傾きかけていたUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)を見事に立て直した森岡さんが、株式会社USJに入社した2010年から描かれております。
・当時のUSJは、初年度の2001年は1100万人以降緩やかに減少傾向(年間800万人)だった
・打開策の切り札として、「ハリーポッター」を3年後に、450億円もの巨額の予算で制作することを決定した
・それまでの間、「なんとか収益を確保し、ハリーポッターの予算に繋げなければならない」「一方で、他のアトラクションを巨額の資金で作成することは無理であり、予算がない中で集客しなければならない」「この状況下で2011年には10周年記念イベントを行わなくてはならない」という、いきなりピンチの状態で始まります。
さらに、、、
・2011年3月に東日本大震災があり、日本中が自粛ムードとなった
という大打撃も加わり、絶体絶命になります。
【あきらめてはいけない】
これらのピンチにどう対応したかですが、、、
・2011年に東日本大震災の自粛ムード⇒当時の橋下徹大阪府知事にも掛け合い、「関西から大阪を元気に!」キャンペーンとして、関西の子供たちを無料招待する。収益としては赤字だが、「USJにいくことは正義なのだ!」という空気を作り、その後の逆転につなげる
・新しいアトラクションを新設する予算がない⇒「ハロウィン・ホラーナイト」という、パークにゾンビを大量出現させるイベントを立ち上げる。人件費であれば巨額(億単位)でなく、予算をキープしつつの大きな話題を呼ぶことに成功する。
・そして極めつけは、表題にある「既にあったハリウッド・ドリーム・ザ・ライドというジェットコースターの座席を後ろ向きにする」ことで、今まで経験したことのないジェットコースター体験を提供することに成功する。これにより、年間集客は1100万人を再び超える・・・
この他にも、まだまだたくさんのチャレンジが詰め込まれており、ワクワクが止まらない1冊です。
【学んだこと】 ~「思い込み」を超えなければならない~
私の職業は病院薬剤師であり、マーケティングや企画開発とは遠い業務です。しかしそんな私でも、ある意味「究極のエンターテイメント」といえるテーマパークの開発秘話は本当に面白かったです。それと同時に、アイデアの生みの苦しみの壮絶さと、地道な努力の積み重ねであることも知りました。
そのうえで、印象に残ったことは
・USJは「映画でないといけない」という固定概念、一部コアファンの意見から、ワンピースやモンスターハンターなどといったコンテンツの導入に物凄い反発があった
⇒森岡さんは、「目的は世界最高のエンターテイメントを届けること」であると強く主張し、この風習を打ち破りますが、製作者側のエゴが自分の首を絞めることはよくあることだと思います。
・これと同じで、「東京ディズニーランドと差別化を図らなくてはいけない!」も実は製作者の妄想で、データをよく分析すると、実は競合となっていないことが判明します。
・「ジョーズ」を本気で作りすぎ、子供たちが怖がってしまう失敗⇒これも本来の目的を失った姿です。
・ジェットコースターの座席を逆向きにするアイデアを社内に提示した際、「今までなかったのは、何かうまくいかなかった理由があったに違いない」という反発意見があった。
⇒やる前からあきらめる姿勢、あるいは新しいアイデアを殺してしまう姿勢、というのも、たくさん見られることです。
そして、それらをしっかり超えて結果を出した森岡さん、およびCEOのグレンさん(こういう判断ができる上司でありたい)は、本当に尊敬します。
私の仕事である医療現場は「有効性が証明されていないことしかやってはいけない(=Evidenced Based Medicine)」という世界ですので、ある意味挑戦とは真逆の業界ですが、それでも何かできることはないか、と模索するパワーをもらいました。
人こそが最強のアトラクションである
本文中でもっとも強く印象に残った言葉がこれです。
これからAI、デジタル化がさらに加速する中で、最も素晴らしいエンターテイメントは人間自身なのだ、という姿勢を忘れず、またそれを活かすような取り組み、動きを模索していきたいと思います。
ハンディキャップを強みに変換できないか?
「座席の向きを逆にしたことで一発逆転した」エピソードは、思考の転換により価値を高めた好例であり、とても勇気がでます。
私の長男もハンディキャップ(知的障がい)を抱えていますが、「そのような特徴があるからこその輝きがないものか」を、いつも考えています。そして、いつか「今はハンディキャップと捉えられている」特徴を持つ皆が、それを強みにできるような、そんな社会の実現できたらな、と考えています。
これからもnoteで色々学び、チャレンジしていきたいです。
長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました!
今日もお疲れ様でした!明日からも頑張りましょう。