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近松心中


花に
己が意思で摘まれることなど
あり得るわけなどなく


雨も
花弁を散らさぬよう
添い続けるのみ


石は
形を変えず
其を見守り


花と雨が枯れても
世界は異もなし


時が止まったと思うたとて

それは瞬きほどの静止


死せる自由など
在る筈もなく


呪法を解く言葉すらないのであれば


せめて
何時の日か
共に果てようぞと


責を全うすべく足掻きつつ

繋がりし
仕舞いを思い画くも

其れさえも




近松心中
也や



錆色の月にて


総て





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