メンズ服を女性が着るのは難しい

ボーイッシュな格好ができなくなった代わりにメンズ服を着こなしに取り入れてみたりもした。高校1,2年生の頃。
が、やはりメンズ服は体に合わないから着こなすのは難しく、しかも、そのどれもが結果的には失敗だった。
背が高めだからといってメンズ服が着れるわけではないことを、数々の失敗から学んだ。

失敗例:シャツ
高一の頃、トミーヒルフィガーのメンズの、紺地に色んな大きさの白の水玉がランダムに入った柄のメンズシャツに一目ぼれして買ってもらい、メンズなので袖も身幅も大きいから、Tシャツの上に羽織って袖を折り返して着ていた。そういう着方をしてもやはりオーバーサイズなので着心地が悪かった。メンズものは、背中が大きい、腕が太い。それが着心地の悪さの原因。

失敗例:コート
高一か高二の頃、メンズの(ブランドは失念)、ブラウンの撥水加工のコットンの比翼のステンカラーコートを買ってもらい、秋口などに着ていた。
裏地が鮮やかな濃い水色の光沢のある生地で、表生地のブラウンと、裏地の鮮やかなブルーの色のコントラストが美しかった。
が、これもやっぱり私には袖が太く、身幅が大きく、気に入っていたのでビッグサイズながらも着用していたが、着心地はよくなかった。

失敗例:セーター
また、中三か高一だったと思うが、ある時当時30代だったであろうFという男性の数学教師と服が被った。
私は、母親が藤井大丸という京都ではいちばん「モードな」百貨店で買ってきた、ハイネックの、グレー地に首元と袖に細くピンクのラインが入った、ジッパーで前開きのセーターを着ていた。
そのセーターはもとは母親が自分用に買ってきたのだが、買ってきたブツを見て良さげだったので、ちょうだい、と言ってみたらもらえた。
それが数学の時間教室にやってきたその教員と全く同じ服だった。
クラスの誰かが「同じ服やん」と言っていたのを覚えている。
向こうは微妙そうな顔をしていた。まさか男物でかぶるとは思わなかっただろう。
そのセーター、私が自分で選んだ服ではないのでブランド名は覚えていない。
デザインは40%ほどしか気に入っていなかったが、厚みがあり温かく、とにかく実用性が高くて、私としては自分で選んだ服ではないにしてはまずまずだった。

このように、メンズの服を着るのは難しいことを実感して、これ以後しばらくボーイッシュな格好は封印していたが、諦めず、どうしたら中性的な服装ができるか模索していた。

女性ファッション誌で、「(彼氏から借りたような)メンズの服を着る」というような企画を定期的に見かけるけれど、私は実際に自分がメンズ服を着るのを失敗した経験があるので、昔から内容を真に受けることはない。


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