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gemini6rabbit
【詩】灯篭流し 風
風が経ち、振り返る。
たどった往路の意図を知りたくて。
雨が去り、ふと香る。記憶。
燃やしたノートをただ取り戻したくて。
今でもあなたは思っているんだ。
変えられない過去を嘆いて消し去る事はできない事を。
今でもあなたは分かってないんだ。
作り出せる未来を羨んで歩き出す事が出来ない事実を。
後悔が永遠。
助けに行くよ。
何も出来ないくせに。
支えに行くよ。
怪我も癒えないままに。
受け止めなくて良いから見ていて欲しい。私の哀れな姿を。
影が伸び、眼を細める。
まだ見ぬ未来の在り処を知りたくなくて。
乗り遅れ 慌てふためく。酷く。
殺した心を誰かのせいにしたくて。
今ではあなたは覚えてないんだ。
降っていく階段の先に底が見えない事への恐怖を。
今ではあなたは忘れていくんだ。
登っていく祭壇の上で凛と振る舞うその所作を。
採点は0点。
迎えに行くよ。
道も知らないくせに。
救いに行くよ。
傷を増やしてばかり。
眼を背けても良いから感じて欲しい。私の惨めな非力を。
あなたの為に時間を賭けよう。
私に出来てもなんの意味もないのだから。
あなたの為に心を宿そう。
私が知れても誰の役にも立たないのだから。
あなたが語りかけるから、熱が出る。
あなたが吹きかけるから、火が灯る。
私の為でなくて良いから、顔も見えない誰かを救える力を信じて欲しい。
例えず夢であるから、目ヤニが酷くて浮腫む私を卑下して欲しい。
今朝の夢。
ってね。