SNSのいいねは、潜在的「いいね」を可視化できない
25年前、私が小学生のとき。
教室で私が絵を描いていると、クラスのみんなが15人くらい集まってきた。
(当時はりぼん漫画のキャラを描くのが趣味だったのだ)
でも「うめ〜」とか「すごっ!」とか口に出して言ったのは何人だったか。
せいぜい1〜2人くらいだったと思う。
わざわざ足を運んで覗き込んだ子はもっといたが、みんな数秒後には、ドッジボールだの日直だのたまごっちの話題(当時はものすごい人気だった)だの、に散っていった。ポケモンのうたや団子三兄弟のうたを歌い始めるものもいた。
では、これをSNSに置き換えてみよう。
「すごいな〜」と思いつつ覗いたけれどドッジボールに入った者
「うまっ!」と思いつつ日直の仕事に向かった者
「おお〜すごい好き」と思いつつ、たまごっちの話題に逸れた者
など、「いいね」と思ったけれど、いいねを押していない者は想像以上に多いかもしれない。
だって、自分がいいねと思ったことを、わざわざ周りに主張する必要がない場合も多いからだ。いいねをブックマーク的な感じで使っている人もいるし、微妙な心理から「いいね」と思ってもいいねボタンは押したくない…という人もいるかもしれない。
つまり、いいねの数には、潜在的いいねが含まれていない。
言い換えれば、いいねの数には、潜在的「(どうでも)いいね」も含まれているかもしれない。
もし、SNSのいいねが伸びなくて悩んでいる方がいたら、今回の話を思い出してほしい。教室で人が集まったのに「うまっ!」と口にしなかった子たちのように、いいねを行動で示していない人々は意外と多いと思う。
私も素敵な絵を見ても、いいねを押さないことがある。それは深い意味はなくて、スクロールした次の投稿に意識が逸れたり、冷めたコーヒーに手を伸ばす瞬間だったのでスルーしてしまったり、そんなところだ。
SNSのいいねは、潜在的「いいね」を可視化できない
これは未来の自分のためにも心に刻んでおきたい。