教師から見た〇〇（同調圧力編No.009）

　ここでは、いろいろなテーマを、

“教師自身、生徒に還元するための見方”

という切り口で書き綴っていきます。毎日500字程度ずつ。

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　同調圧力が多様性と包括性に与える悪影響を見ていこう。

　“多様性を認められる世界”とよく言われるが、多様性を認めるとはどういうことだろうか。本当に多様性のすべてを認めることなど可能だろうか？そもそも認める必要はあるのだろうか？

　動物界の生物多様性を考えてみると一つの答えがみえてくる。例えば、アマゾンには多種多様の生物が生きているが、その多様性はすべての生物同士が認め合いながら関与して成り立っているものではない。生物同士は、例えばカブトムシとカエルとジャガーのように、同じ空間に存在していても、お互いはスルーしている。しかし生態系全体として眺めたときにはスルーしている生物同士も決して無関係ではない。これこそが生物多様性を担保しているメカニズムの一つなのだ。

　こうしたメカニズムは最も効率的な落としどころに“自然”に落ち着くのだが、脳が発達した人間は“理想”という名のもとすべての人間が関わり合いながら、すべての個性を認め合い、理解し合うことを目標とする。しかし、必ずしもそんなことを達成する必要はないのだ。それどころか、むしろ、その“理想”が理解できないことを強調してしまい軋轢をうんでいる。

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