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レデラジ#26|2024年の振り返り、ハッタツソンフェスにかける思い

ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくるをミッションに活動するLedesone(レデソン)のショートラジオ番組「レデラジ」

2024年最後のレデラジは共に活動するいっちーさんと1年間の振り返りと来年開催するハッタツソンフェスについてお話ししています。

レデラジはnoteではテキストとして、Spotify、Apple Podcast、Youtubeでは音声でお楽しみいただけます。



障害名や診断名ではなく、困りごとを起点に考える Ledesoneのベースに共感

Ten:
今回は2024年最後のレデラジということで、一緒に活動しているいっちーさんと今年のまとめとして1年の振り返りやハッタツソンフェスについてのお話をしていきたいと思います。いっちーさん、よろしくお願いします。

いっちー:
よろしくお願いいたします。

Ten:
いっちーさんは、今年の1月から2月あたりからLedesoneに参加していただいて、そこから一緒に活動させていただき、さらに4月のハッタツソンフェスでは登壇していただきました。また、他にもいろいろな活動を一緒にさせていただいていますが、Ledesoneに参加してみてどうですか?

いっちー:
もともとTenさんのことはXで知っていて、「考え方が近い方がいるな」と感じていました。なので、一緒に活動できて自分としても道が広がったという感じがあり、楽しかったです。今年一緒に活動を始めたのですが「もう年末なんだ!」というか、早いなと感じますね。

Ten:
そうですよね。今、いっちーさんに「考え方が似ている」とおっしゃっていただいたんですが、僕もそれは同感です。いっちーさんの普段のツイートの内容などを見ていると、いっちーさんはご自分が考えていることを、めっちゃ言語化している方だなと思います。

僕は逆に、考えるけどうまく言葉に表せられない部分があって…。そこがいっちーさんは非常に上手く言葉にしているなと思います。個人的にはそこがすごいなと思っていたからこそ、こうやって一緒に活動できているのがとても嬉しいです。

今はもう、自分が言語化しにくい部分やLedesoneの活動で「これはどう考えたらいいんだろう?」と思ったときは、すぐいっちーさんに相談してますね。

いっちー:
そう言ってもらえると、めちゃくちゃありがたいですね。もともとLedesoneの「障害名や診断名とかじゃなくて、困りごとを起点に考える」というベースは自分も同じ考えをすごく強く持っている人間だったんです。だからこそ、一緒にやりたいと思ったし、そう言っていただけるとめちゃくちゃ嬉しいですね。

Youtube再生が5,000回!いっちーさんと考えた認知の多様性とニューロダイバーシティ

Ten:
ありがとうございます。そういう思いを発信していくために、レデラジを6月に始めました。一旦終わりましたが「認知の多様性」をテーマにいろいろお話して、その最終回の「レデラジ#20|認知の多様性とニューロダイバーシティ」というYoutube配信が約5,000回以上再生されたんですよ。

いっちー:
それはすごいですね!

Ten:
そもそもLedesoneのYoutubeチャンネルの再生数は1,000回を超えることはそうそうないんですが、その中でこの数字はすごいですよね。「なんでこんなに伸びているんだろう」というのが個人的には気になっています。

いっちー:
どういう観点で皆さん見てらっしゃるのかはすごく興味があるので、ぜひ聞いてみたいんですね。

Ten:
そうですよね。ぜひ感想などを、SNSなどで教えていただけると嬉しいです。

2024年のハッタツソンフェスの感想と今後の課題

Ten:
このレデラジの前に、4月のハッタツソンフェスで登壇していただいたんですが、改めてハッタツソンフェスに登壇してみていかがでしたか?

いっちー:
自分としても、すごく発見がありました。自分の特性について深く考えたり、学んだりすることは個人的にはずっとしてきたことだったんですが、自分の見ている範囲というのは、自分や身近な人の特性をベースに考えることが多い。たまたま同じ発達障害といわれる分類の中でも、身近にその特性の人がいないこともあるじゃないですか。

例えば自分の場合、近しい部分は感じつつもLDの診断を受けている方は近くにいらっしゃらないんです。また、複数の特性を持つ人、例えば僕だったらADHDもそうですが、色覚障害も生まれつきある。そういう多様な視点を持つ人達の中での討論は、すごくいい機会をいただいたなと思いました。

考え方が広がったというか…議論の中でも「わかるな」という部分もあるし、本当にいい機会だったと思いますね。

Ten:
ありがとうございます。いっちーさんとはハッタツソンフェスの最後のセッションで「見えづらい違いを起点に考えるアクセシビリティ」というテーマでお話させていただいて、いっちーさんの普段の色の見え方の話をしていただいたり、特にニューロダイバーシティの話などはすごく共感するなと思いました。そういう点においても、ハッタツソンフェスや今やっているレデラジなどでも、一緒に考えていけているかなと思いますね。

いっちー:
そうですね。今年のハッタツソンフェスだと、村中先生のセッションでもニューロダイバーシティについて触れてましたね。僕は10年以上前に診断を受けているんですが、その当時の日本ではそういった言葉も知られてなかったんですよ。

そこからそういった言葉が出てきたことによって、モヤモヤしてたものが晴れていく兆しみたいなものを感じました。その辺の議論がもっと日本でも増えて、議論とかすり合わせができていったら、少数派の特性によって自分を低く見てしまったりとか、辛い思いをする人が少しでも減るんじゃないかなと思います。本当にその話はいくらしても、し尽くせないというか、全然足りないと思いますね。もっともっと深めていきたいなと思います。

Ten:
Ledesoneの場合は、そこを環境から変えていきたいなと思っているんです。最近、人それぞれいろんな見えづらい違いがあって、その違いが環境によって困りごとに変化すると考えているんですよね。

その困りごとが生じる環境をしっかり整備していったり、いろんなツールやサービス、仕組みを改善したり新しく作ったりとかするところに可能性があるんじゃないかと、最近思っています。

いっちー:
まさにそれは、その通りだと思います。自分としても「ADHDだから」とか「ASDだから」とか、「〇〇だから、これができないみたい」という考えがどうしても始まりがちなんですけど、そもそも、その性質自体には、単純に脳の特性や性質があるだけなんですよね。

それそのものが困りごとというわけではないはずなんですけど、どうしても「自分ってそう(ADHD、ASDなど)なんだ…」って思い至る時には、もうすでに困ってるところからスタートしている。それが僕個人としても、嫌なんですよね。

じゃあ、その環境がどう悪影響を及ぼしてるか、どう改善していくかという話になると、結局は「人はそれぞれ違っているんだ」という理解が深まることが必要だと思います。

関心がない人にどうやって知ってもらうか?福祉・医療・教育だけではない、オルタナティブな場を作りたい

いっちー:
でも個人的に今まで学んできたり、いろんな話や人の話を聞いてきて思うのは、「当事者ではない人たちは、そこに対して興味がないんだな」っていうこと。

「じゃあ、それを知ってもらって、そういった環境を整備して負荷が発生しないようにしたらどうしたらいいんだろう?」と考えると、そもそも、そういったものがあることも知らないという現実を乗り越えるのは、なかなか難しいなと思ったこともあります。

ただ、最近はニューロダイバーシティという言葉が出てきたりとか、そういった認知が広がったことによって、すごくいい流れができているようにも見えますね。

Ten:
Ledesoneの中でも、興味を持ってない人、知らない人や関わりのない人にどうやって、いかに興味を持ってもらうかがすごく重要なテーマになっています。

なので、ハッタツソンやハッタツソンフェスでも、あえて福祉系の企業から協賛を受けないようにして開催しています。

どうしても発達障害がテーマのイベントは、福祉色が強くなってしてしまうことがあるじゃないですか。ハッタツソンフェスでは大阪京橋にあるオープンイノベーション施設を使わせてもらっていて、そこは普段からいろんな人が行き来するような場所なんです。そういう場所でやることで、全く関心がないけど、「ちょっと興味あるな」「ちょっとだけ気になるから行ってみようかな」みたいな機会を作り出したいなと思っています。

実際、ハッタツソンフェスでは参加者のうち、当事者でもないし身近に当事者がいるわけでもない、馴染みのない人が全体の3割ほど参加してくれています。この3割をどんどん増やしていきたいなって思ってて。Ledesoneがやっているもう一つのイベント「おとなLDラボ」の方のイベントでも、「このイベントを通して初めてLDを知った」とか「聞いたことあるけど、あんまり知らなかった」という人が3割なんですね。

Ledesone全体のイベントで大体3割の人が「あんまりよく知らないけど、ちょっと気になって参加してみた」という人です。その割合を、どんどん増やしていきたいです。

いっちー:
今のお話を聞いていて3割もいるっていうだけでも、すごく希望を感じますね。

Ten:
Ledesoneはインクルーシブパートナー事業で企業と関わらせていただいているんですが、その担当者の方に共通する点があるんです。それは何らかの形で、当事者のことについて知ったということ。身内に当事者がいるとか、そうでなくてもたまたま何かの機会に、障害の人の話を聞いたりとか。それで「これは自分の所属している会社でなにかやらなくてはいけないな」とか「やりたいな」と感じて取り組んでくださる方が多いんですよ。

そういう、当事者のことや困りごとを知る「場」をどんどん作っていく必要性があるんじゃないかなと今は思っています。

ハッタツソンフェスは、もちろん当事者の人たちにも参加してもらいたいんですが、当事者じゃない人、全く関心のない人にも集まってもらえるような場所にしていきたいなと思っています。

いっちー:
いいですね。実際にリアルの場として企業と集まって、そういう話を聞くことや議論ができる「場」があるだけで、すごく深い話や実際にどう感じているかといういろいろな話が集まってくるんじゃないかと思いますね。

最近ではインターネットができて交流が便利になったからこそ、結構ノイズも多いなと思ったりすることもあるので、そういった「場」があるのはすごく価値があることだなと思います。

Ten:
発達障害や見えづらい困り事をキーワードに、いろんな企業とかいろんな人が集って、それぞれの取り組みを発信したりとか、ディスカッションしたりとかしていく場ってすごい必要だなって感じています。

発達障害のイベントって、医療系、福祉系、教育系、就労支援のどれかしかないじゃないですか。それ以外にもっと「生活に役立つ」とかがあってもいい。

あと、そういうイベントは診断が付いてる人が対象であることが多いんですけど、まずそんな診断は付いてないとか、診断ついてはいるけど福祉を頼るほどでもない人などもいらっしゃいます。福祉を使っている人でも、24時間福祉を頼ってるわけじゃない方も多い。

そういう人たちが過ごしやすくなるための仕組みや、サービスを作ってる人たちもいらっしゃる。そういう人たちが一緒になってディスカッションできる場が、すごく必要だなと思っているんですよね。

いっちー:
そうですね。もちろん、福祉の重要性もものすごくあるのは前提にありつつですが、他の選択肢の必要性は感じます。僕は、いろいろなイベントでオフラインで人と会うときに、自分が色覚障害でADHDだということを先に言うんですよ。僕が言ったら、「私もそうなんです。」「僕もそうなんです。」と言ってくれる人がめちゃくちゃ多いんです。

オンラインで最初から公表している人たちもいますけど、普段そういうことを全然自分から言わないで、いろいろと工夫をして頑張っている人って思っている以上にいるんだなということを肌で感じていて、SNSなどで目立つ声や分かり易い分類が全てではないなと思います。

なので、既存の福祉などの領域じゃないところで、そういう事ができる場が新しく作れたらいいですよね。ハッタツソンフェスのような活動も、すごくもっと広くできたらいいなと思いますし、重要だと思います。

Ten:
ありがとうございます。Ledesoneは今、大きく分けてプラットフォーム事業とインクルーシブパートナー事業をやっていますが、プラットフォーム事業ではそういう「場づくり」をしていきたいです。インクルーシブパートナー事業の方ではパートナーになって、一緒にどんどん広げていったり、作っていったりするようなことをしていきたいなと思っています。来年も、さらにどんどんやっていこうと思ってます。

来年もまたハッタツソンフェスを開催していこうと思っているので、ぜひ楽しみにしておいてください。

ということで、2024年最後のレデラジをお聞きいただきありがとうございました。いっちーさんも、ありがとうございました。

いっちー:
ありがとうございました。

Ten:
今回もレデラジをお聞きいただきありがとうございます。

レデラジは2024年は今回が最後ですが、また来年もどんどん配信していく予定ですので、感想や「こんなトピックが聞きたい」とか、「こんな話を聞きたい」というご要望を、ぜひぜひお寄せいただければと思います。コメントも大募集しています。


次回のレデラジもお楽しみに!


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