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手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択(無料公開版)

【書籍情報】

タイトル:手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択
著者:ミニマリストしぶ
出版社:KADOKAWA
定価:1,430円(税込)
出版日:2022年3月10日

【なぜこの本を読むべきか】

部屋中にモノが散らばっていると、窮屈でメンタルがやられる。

足の踏み場がないと、モノをまたぐのに無駄な意識が割かれる。

まさに、メモリの無駄遣いと言わざるを得ない。

本書は、モノを手放すことで人生に「余白」をデザインする方法を紹介した一冊だ。

本書は以下のような方にオススメしたい。

■モノをなかなか捨てられない
■次から次へとモノを買ってしまう
■なんだか生きづらさを感じている

モノを捨て、自分の周りを削れば削るほど、残ったモノは尖っていく。

尖るほどに、自分にとって大事なものが浮き彫りになる。

その大事なものに気づき、大切にできたとき、人生から生きづらさが消えるのだ。

【著者紹介】

ミニマリストしぶ

1995年生まれ、福岡県出身。
「Minimal Arts 株式会社」代表取締役。
ミニマルを追求するアパレルブランド「less is _ jp」監修。
「ミニマリストしぶのブログ」は開設1年で月間100万PV超え。
他著書『手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』はAmazonベストセラー1位を記録。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

本書で定義するミニマリストとは、「大事なことを強調するため、あえて少なくする人」のことである。

📖ポイント2

モノを減らすことのメリットは、お金稼ぎの訓練、メンタルの安定、さらには美的センスまで手に入るという最強揃いだ。

📖ポイント3

ここでは、具体的なモノの減らし方を説明する。まずは短期集中型で、一気にまとめてやってしまおう。

【1】ミニマリスト入門

ミニマリストの定義

ミニマリストには複数の視点があり、何を優先するかは人それぞれだ。

「モノが少ない人をミニマリストとして呼ぶのでは?」と思う人もいるかもしれないが、一概にそうとは言い切れない。

「モノにこだわりはなく、使えるのであれば100均でもいい」と言う人もいれば、「少ないからこそ上質なモノだけを選び取る」と言う人もいる。

また、ミニマリストにとって、必ずしも物量が優先とは限らない。

美的感覚を優先した「芸術ミニマリスト」、デジタルライフ全般を最小限にする「デジタル・ミニマリスト」なども存在する。

このように、ミニマリストという言葉はそう単純ではない。

しかし、ただひとつだけ言える事実。

それは、皆それぞれ大事にしたい価値観があって、それを優先するために減らしているということだ。

よって、本書では「大事なことを強調するため、あえて少なくする人」をミニマリストと呼んでおり、モノを中心として話を進めている。

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「どこまで減らすか」の指標

必要最小限のモノがどれだけの量なのか、具体的に知りたい人もいるだろう。

ズバリ、「何をどれだけ持っているのか、自分の所有物をすべて把握し、1つずつ所有の理由を語れるだけの量」である。

著者の場合、すべての持ち物の数は250個だ。

これは、細かな日用品までを含めた数である。

ただ、250個という数に深い意味はない。

自身の価値観のもとに厳選を重ねた結果、たまたま250個になっただけだ。

そして著者は、「どんな理由で・どこで買って・誰からもらって・どこに置いてあるか」について、250個のすべてを説明できる。

モノを少なく絞るとき、「何を減らし、何を残すか」を考える過程が必ず出てくる。

そのため、意識せずとも持ち物すべてを語れるようになるのだ。

たとえ同じくらいの量にはできなくても、せめて指標としては覚えていただきたい。

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ストレスのない自由な生活ができる6万円の内訳

ミニマリストになる理由は人それぞれだが、著者の場合は、少ないお金でひとり暮らしを始めるためだった。

言い方を変えれば、お金から自由になるためである。

当時の著者は20歳で、2浪したあげくに大学へは行かず、実家暮らしのフリーター。

高校の奨学金を返済するのに明け暮れる毎日で、貯金なんてものはない。

ひとり暮らしするための費用を調べるも、初期費用に家具の購入、細かな日用品までも揃えると、20万円が目安という事実が浮き彫りになる。

フリーターの収入だけで賄うのは難しい状態だった。

しかし、そこで思い当たる。

敷金や礼金などの初期費用を減らすのは難しくても、家具の購入費ならどうにかできるのではないか。

そして著者は、家賃を含め、毎月の生活費を6万円までに抑えることに成功した。

以下、6万円の内訳を記す。

このラインより上のエリアが無料で表示されます。

家賃:19,000円
水道代:2,000円
ガス代:1,000円
スポーツジム会費:7,700円
電気代:1,500円
通信費:5,000円
コインランドリー代:2,000円
食費:15,000円
日用品費:1,000円
サブスク代:2,000円
合計:56,200円(+国民健康保険料:2,000円)

いかがだろう。

洗濯機がなくても、コインランドリーに行けば電気代が抑えられる。

本棚がなくても、サブスクに登録すれば電子書籍が読み放題。

モノを減らし、最小限の暮らしをすれば、月6万円の収入だけで生活ができるのだ。

【2】モノを減らして得すること

モノを減らすことは「お金稼ぎ」の訓練

モノを減らせば、ビジネスが上手になる。

結果、お金を自然と稼げるようになるのだ。

ミニマリストは、ビジネスの才能を秘めている人が多い。

なぜならモノを減らすことは、「取捨選択の訓練」だからだ。

以下に、モノを減らすことによって起こる思考を記そう。

「何が必要で、何がいらないか?」
「何が利益を生んで、何が損をしているか?」
「限られた時間の中で、どう優先順位をつければ、成果を最大にできるか?」

たとえば、モノを減らすときに「メルカリ」などで不用品を売る人は多い。

モノが売れるためには、需要を見極め、適切な金額をつけなければならない。

見栄えのいい写真も必要になるし、購買意欲をそそる文章だって必要だ。

このように、物販はあらゆるビジネスの根幹となる。

手放す練習を重ねれば、月に数千円くらいの副収入は独自で作れるようになっていく。

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「部屋は心の映し鏡」は本当なのか

とある研究では、「散らかった部屋に住むとメンタルが悪化し、片づけることで精神疾患が改善した」という結果が出ている。

上記の研究で進められているのは、家事代行であり、病んでいるときこそ部屋を綺麗に保とうということだった。

つまり、散らかった部屋は心を鬱に、綺麗な部屋は気持ちを晴らす。

「部屋は心の映し鏡」というのは、本当の話だったのだ。

人は病んだとき、どうしても部屋が散らかってしまう。

そんなときだからこそ、以下の3つを心がけてほしい。

つらいときほど部屋を片づける
②そもそも部屋が散らからないよう、モノを減らしておく
③仮に散らかっても、すぐにリカバリーできるよう片付けのハードルを下げておく

しかしどうしてもやる気が出ない場合は、まずはゴミから捨ててみよう。

机にお菓子の袋を置きっぱなしにしていないだろうか。

床は散らかし放題ではないだろうか。

明らかなゴミすらにも気づかないメンタルのままでは、モノを取捨選択するのはまだ早いだろう。

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取捨選択で自然に磨かれていく「美的センス」

取捨選択は、ファッションに関してもいえることである。

少ない服で着回すためには、スタメンの服を絞らなければいけない。

そのためには、自分の体型や価値観と向き合い、どんな服が似合うのか検討を重ねる必要がある。

そして、知らぬ間に美的センスが磨かれていくのだ。

たとえば、著者のファッションは以下のようなものである。

■肌の白さを際立たせるために、「全身オールブラック」で統一
スリムな体型を際立たせるために、スキニーなど細身のアイテムを選ぶ
面倒くさがりなので、乾燥機にかけてもシワにならない素材で統一

もともと、お洒落になりたいという理由でモノを減らし始めたわけではない。

動機はシンプルで、生活の効率化。

しかし、取捨選択を繰り返すことで美的センスが磨かれ、今ではアパレルを立ち上げ、製品デザインを手がけるようにまでなった。

ファッションであっても、インテリアであっても、モノには必ず機能美が存在する。

機能美とは、余分な装飾を除いて無駄のない形態や構造を追及した結果、自然に現れるデザインのことである。

モノを減らせば、自分の生活に合わせて機能的なモノの配置に変わり、結果的に美しいデザインが出来上がる。

取捨選択とは、デザインそのものなのだ。

【3】人生に余白を戻す「減らし方」

短期集中型で終わらせる

モノを減らすときは、時間ができたときに少しずつ減らす「分散お片付け」ではなく、まとまった時間をとって一気に捨てる「短期集中型」をおすすめする。

「分散お片付け」を否定するわけではないが、モノが捨てられない人の特徴には、分散的にモノを片付け、後回しにする傾向があるのも事実だ。

さらにいうならば、明らかな不用品を捨てないまま持ち続けることは、借金も同然なのである。

床面積分の家賃を無駄に払い、管理にかける時間を消耗、行動力を生む体力も少しずつ削られていく。

それらのことを考えれば、必要以上に片付けの期間を長引かせることは、借金いわば「所有の利息」ともいえるのだ。

所有の利息は高くつくため、債務の整理は早めにしたほうがいい。

短期集中型のおすすめのやり方は、土日や大型連休にスケジュールを組み込み、朝イチから捨てることだ。

理由は以下の4つ。

■エネルギーが余っている「朝イチ」から片づけるため、後回しにしなくなる
■家族が集まっているため、必要かどうか確認を取りながら共同作業ができる
■街は人が多く、家にこもるほうが快適
■休日の「割高価格」を払わずに済む

それでも「いや、時間が取れないし……」と言う人がいるなら、これだけは覚えてほしい。

「時間がないから片付けられない」のではなく、「片付けないから時間がない」のだ。

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「何も置いてない床面積」を30%まで広げる

ミニマリストの部屋には共通点がある。

それは、何も置いてない床面積(=余白)が、部屋全体に対して70%以上あること。

つまり、モノを置いてる面積は30%以内になるということだ。

「余白7割でモノ3割」は、ミニマリストの部屋だけではなく、美術館にも通じるものがある。

また、この考えは他の部屋にも応用可能だ。

■シンプルライフ「5:5」
■インテリア雑誌に載った、小綺麗な部屋「3:7」

すべての部屋が数字通りになるとは限らないが、お洒落な部屋には必ず何も置いてない床がある。

ミニマリズムの本質は「強調」だ。

シンプルは削るほどに尖り、尖れば強調したいモノが浮かび上がってくる。

「何もおいてない床」という余白は、強調に欠かせないスパイスなのだ。

とはいっても、いきなりミニマリストの部屋にするのは難しいだろう。

シンプルライフの余白も、まだ厳しいかもしれない。

なので最初の目標は、小綺麗な部屋を目指そう。

つまり、「30%まで何も置いてない床面積を広げること」を目標に掲げるのだ。

6畳の部屋であれば「6畳×30%=1.8畳(約2畳)」。

8畳の部屋であれば「8畳×30%=2.4畳(約2.5畳)」。

それぞれ計算式で出た答えを目安に、どんどんモノを減らしていこう。

また、床面積を広げる際には、モノを片付けたり捨てたりしなくてもいい。

まずは、1ヵ所に固めるだけでも構わない。

全部の持ち物を出して所有量を把握するとき、クローゼットから取り出した大量の衣服を比較検討するとき、必ず床の余白が必要になる。

よって、余白作りを第一優先としよう。

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「何を減らしたいか」より「何を残したいか」

2012年に放映されたドラマ『リッチマン、プアウーマン』を知っているだろうか。

ドラマに出てくるモノは、広々とした部屋にたった3つだけ。

■お掃除ロボットのルンバ
■3人掛けのソファ
■業務用の大型冷蔵庫

何もない部屋で、ルンバが自由に動き回っているのだ。

ドラマでは、「社長業に専念するため、掃除を自動化する」と「ワインを楽しむため、モノを減らしたぶん大きな業務用冷蔵庫を設置する」という目的ありきでモノが絞られている。

掃除をしない生活を目指すにあたり、どうせルンバは必要になる。

そしてルンバを使いこなすには、床にモノを散らかさないことが前提だ。

ルンバを置く最大のメリットは、掃除を自動化する以上に、モノを増やしにくい環境を作ることともいえる。

ここでの本質は、「何を減らしたいかよりも、何を残したいか」である。

しかし、残したいモノがわからない人もいるだろう。

そんな人は、「お金」「時間」「楽しみ」の3つを基準にするといい。

「お金」を生み出す、仕事道具や書籍
②「時間」を生み出す、時短アイテムや健康グッズ
③「楽しみ」を生み出す、趣味のアイテムや娯楽品

捨てる100個に目を向けるより、残したいモノ数個に目を向けるほうが、無駄なくモノを絞ることができる。

【あなたの次の読書リストに】

本書では、

【序章】ミニマリスト入門
➀なぜミニマリスト需要が高まったのか
②余白がないとバカになる
③手放すコツは江戸時代から学べ
④モノを減らして得すること
⑤性格でわかる「モノの減らし方&増やし方」
⑥人生に余白を戻す「減らし方」
⑦ムダに持ちすぎないための「増やし方」
【終章】余白から見えてくる本当の自分と出会う

以上の序章、7つの章、終章に分けて紹介されている。

ここでは、主に「減らすこと」に焦点を当てているが、本書の終盤では「増やし方」についても語られている。

賢い減らし方と増やし方を学べば、部屋だけでなく、心にもゆとりをもてるようになるのだ。

クローゼットに眠っている大量の衣服は、今度買いに行こうと思っている大きなテレビは、本当にあなたにとって必要だろうか?

今一度、自身に問いかけていただきたい。


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