決定版 インドのことがマンガで3時間でわかる本
【書籍情報】
タイトル:決定版 インドのことがマンガで3時間でわかる本
著者:関口真理、中島岳志、辻田祐子、三輪博樹、繁田奈歩
出版社:明日香出版社
定価:2,035円(税込)
出版日:2024年4月12日
【なぜこの本を読むべきか】
2023年から、インドは世界最大の人口大国になった。
圧倒的な存在感を放ち、インド在住の日本人も増えた。
ただ、インドの側で本当に重要な事実が、的確に日本の一般向けに伝わっていないことを、あなたは知っているだろうか。
本書は、マンガを交え、インドの「本当の姿」を紹介した一冊だ。
本書は以下のような方にオススメしたい。
日本人が必ずしも日本に詳しくないように、それはインド人にも同じことが言える。
あるインド人が知る「インド」は、決して間違ってはいないが、一面的に過ぎないのだ。
【著者紹介】
関口真理
1962年横浜市生まれ。立教大学大学院文学研究科博士前期課程修了(南アジア近現代史)。亜細亜大学非常勤講師。
中島岳志
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。東日本国際大学客員教授。専門は南アジア地域研究、近代政治思想史。
辻田祐子
日本貿易振興機構{ジェトロ)アジア経済研究所 地域研究センター南アジア研究グループ。
三輪博樹
帝京大学 法学部 政治学科 准教授、慶應義塾大学 法学部 非常勤講師 、中央大学法学部講師。専門はインド政治、比較政治学。
繁田奈歩
インフォブリッジグループ代表 1975年生まれ、東京大学教育学部卒。インドを中心に日系企業の海外進出をマーケティングリサーチ、マーケティングコンサルティング方面からサポート。
【本書のキーポイント】
📖ポイント1
インドは世界最大の人口に達した。同時に、雇用創出に苦戦しているという事実も存在する。
📖ポイント2
インドが独立するまでの道のりを語るために、ポルトガルのバスコ・ダ・ガマが到来した1498年まで遡ろう。
📖ポイント3
インドは経済成長国として注目を集めている。一方で、多くの貧困層を抱えていることも覚えておこう。
【1】インドビジネス最前線
世界一となる14億人の若い人口
国連によると、2023年4月末にインドの人口が中国を抜き、世界最大の14億2577万人を超える人口に達した。
2050年には、5〜8人に1人はインド人になるとの予測も立っている。
インドは若年層も多く、生産年齢人口(15歳〜59歳)の予測値を割り出した報告書が、インド統計・計画実施省によって発表された。
報告書によれば、2011年の7億3500万人から、2036年には9億8850万人に到達し、右肩上がりの伸びが続く。
インドの「人口ボーナス期(生産年齢人口が、非生産年齢人口の2倍以上になる期間)」も長く、少なくとも2030年代半ばまでは続くと予想されている。
少子化の傾向もあるが、まだ大勢は若年層が占めるという構造が成り立つのだ。
一方で、雇用創出に苦戦しているという事実も存在する。
世界銀行では、労働力人口(就業者+完全失業者)のデータが出されている。
それによると、世界平均60%に対し、インドでは49%に過ぎないことが判明。
あらゆる施策を打ってはいるものの、まだ多くの開発の余地が残されているのが現状だ。
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新たなIT大国、インド
インドは、独立後からITに注力してきた。
1990年代頃から、「2000年問題」の解決の受け皿としてインドが注目され、BPO(企業の業務プロセスの一部を、一括して専門家に外部委託すること)としての地位を確立。
個人識別番号制度の導入や、医療機関のデジタル化などを開始しており、政府のデジタル化も務めている最中だ。
また、インドのソフトウェア技術・開発の可能性にも注目が集まっている。
Googleは、2019年からインドの研究コミュニティと連動し、コンピューター・サイエンス(ITに関連する幅広い分野)とAI研究を実施。
Microsoftは、2020年にインドで3箇所目となるR&Dセンター(調査・研究、企画・開発、その他の事業化と、その過程で必要な広報の役割)を設立した。
複数の米国企業がインドへのイノベーションセンター(革新的な技術で、社会的に大きな変化をもたらすことを図る組織)設立を検討中との報道もあり、この流れはさらに加速していく勢いである。
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好機到来するビジネス
インドで可能性のある業界・分野は多い。
たとえば、Eコマース。
Eコマースとは、インターネット上で行われる物やサービスの取引のことをいう。
ネット販売と考えると、分かりやすいだろう。
近年、消費者はあらゆる商品をオンラインで購入するようになった。
情報収集もオンラインに移行し、SNSやGoogle検索などでは、商品やサービスが認知されやすくなっている。
健康関連商品やペット文化なども登場してきており、以前のインドではあまり浸透しなかった商品が展開できる可能性が高くなってきているのだ。
【2】インド理解のきほんのき
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