今日覚えたい語
「夕立=une averse」?
今日の記事は生徒さんからの質問が元になっています。
Yさん、ありがとう!
「 une averse ってにわか雨のことだと思っていたのです。でも une averse って書いてるのにザーザー降りの挿絵があるフランスのカレンダーがあったんですけど、どういうことですか?小雨じゃないの?」
んっ???
一瞬詰まって言葉が出なくなってしまったのです。
少し冷静を取り戻し脳内に絵を描くと「ははーん、そういうことか」となんとなくわかった気がしたのです。
まずは辞書を見てみましょう。
辞書には
「une averse = にわか雨」と書いてあります。
では次に国語辞典を引いてみましょう。
・大辞林
にわかあめ:突然降り出してまもなくやんでしまう雨。
・大辞泉
にわかあめ:急に降りだしてまもなくやんでしまう雨。
・新明解国語辞典
にわかあめ:急に激しく降って来て、すぐやむ雨。
・三省堂国語
にわかあめ:急にやや激しく降り、短時間で やむような雨。
ここでのポイントは、にわか雨を想像したときに「激しく」という表現を感じるか否か、だと思うのです。
ぼくは、「にわか雨」において雨量は関係ないと思っていたのです。多くても少なくても「急に・短時間」に降る雨はにわか雨である、という認識でした。
ところが生徒さんに確認をすると「少しだけ、パラパラ」というイメージで少量の雨をイメージしていたようです。
ここで気象庁のサイトを確認します。
にわか雨:降水が地域的に散発する一過性の雨。「にわか雨」のなかには「一時的に降る雨」という意味が含まれている。
ということは、(一部の国語辞典の記述とは違い)「雨量」は考慮されていないということですね。
では、仏和辞典で確認をしましょう。
averse:
Pluie subite, abondante et généralement de courte durée.
(Dictionnaire de français, Larousse)
Pluie soudaine et abondante.
(Le Petit Robert 2024)
どちらも「突然の・急な」「大量の」雨のようです。
日本人は多くの場合、雨量は問題にせず「突然の」「短期間の」雨だと感じるために、Yさんはザーザー降りの averse の挿絵に違和感を抱いたということでしょう。
夕立:突然、短時間降る雨(雨量は考慮に入れない)
averse:突然、大量に降る雨
これを、同じこちらがを表していると感じるか、違うものだと感じるかは、学習者の言語に対する感覚次第でしょう。
ご参考まで
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