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今日覚えたい発音

"hier" の発音

辞書で確認してみましょう。

プチ・ロワイヤル仏和辞典:
hier /jεːr イエール/

ロベール仏和辞典:
hier [jεːʀ/i-jεːʀ]

ロワイヤル仏和辞典:
hier /jεr/(★文頭では /ijεr/)

le Petit Robert:
hier [jɛʀ ; ijɛʀ]

[jεr] と1音節だったり、[ijɛʀ] と2音節だったり、ロワイヤルには「文頭では [ijεr])」という指示があったり。
どういうこと?

結論は、1音節、2音節、どちらでもいいのです。気にする必要はありません。1音節のリズムのほうが僕達日本人には易しいはずです。
「イェー」と両手を使いVサインを出してときに口が発している音は、ほとんど「昨日」と言っているのですから。

2音節のときには、「イ」と一瞬言ってから「イェー」というので、耳には「イ」の音が1.5倍の長さで届くはずです。
ということは、「イ」を少し伸ばし気味に言ってみると、2音節バージョンができると考えて問題ありません。(少し問題はあるけれど、気にしないでおきましょう)

ロベール仏和辞典の「(★文頭では /ijεr/)」は、理解はできるのですが、ちょっと言いすぎというか、人や場面によってはそうではないこともありえます。
文頭ということは、まず発言の最初なのでそれなりに力んでしまうことが多いのです。最初の母音 [i] が半母音化せずに独立してしまった結果、次の「エ」に移るときに経過音「(半母音の ye=[j] 」が自然に挟まってしまうのでしょう。

そのあたりを考慮して、le Petit Robert には両方の発音の記述があるのだと思われます。

では僕はどう発音しているか?
hier を単独で発音しているときには2音節 [i.jεr]、hier soir や hier à midi のように直後に別の表現が続くときは  [jεr swar] のように1音節は発音するように心がけています。
そのほうが耳にしっくり来るのです。

最後の [r] ですが、喉の奥のほうの「どこか」が震えていれば、全く問題ありません。一般的には「口蓋垂摩擦音 [ʁ]」ですが、PIAF のような独特の音を出したければ「口蓋垂ふるえ音」でも問題はありませんし、有声咽頭摩擦音 [ʕ] (僕は再現できない)でも、舌先をバタバタさせる [r]「有声歯茎はじき音」でも正しく通じます。
もう一度書きますが、問題ないとはいえ、標準のフランス語発音は [ʁ] で「口蓋垂ふるえ音 [ʀ]」ではありません。

しかし辞書の発音記号に[ʀ][r][ʁ]の3種類が使われていることが、事態(というか理解)を複雑にしているのです。
僕の拙い日本語で、わかってもらえるのだろうか?

要するに、舌を使わないで喉のどこかが震えていればいいのです。
舌を使うのなら、「たたき音(日本語のラ行に近い)」ではなく「はじき音(何度もバタバタさせるイタリア語を感じる音)」を使ってください。

いやしかしまあ、人の評価はさまざなだなぁ…
と思った週末の始まりでした。

ご参考まで 

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