見出し画像

今日覚えたい文法

語順と見える景色

昨日の記事で書いたとおり、
◯ Dans 2 heures, je suis rentré(e).
✘ Je suis rentré dans 2 heures.

が一般的な判断です。

では今日は応用して、dans ではなく à を使ってみましょう。

À 2 heures, je suis rentré(e).
Je suis rentré à 2 heures.

この2文はどちらも「文法的」には正しい文です。
しかしかなり見える景色が違います。

今日は未来のシーンを考えてみましょう。

À 2 heures で始めると、まず聞いている人は(明日の)「2時の世界」に連れて行かれるのです。(夜中でも午後でもいいけど、今回は昼間にします)「午後2時の世界ですよ」と場面を設定するので、そんなシーンが頭に浮かぶのです。

暑い時間帯だな。ランチは終わってる時間だね。「徹子の部屋」は終わっているか。

その時間帯には
Je suis rentré.(帰るという行為をすでに完了している)
のです。

ということは、
ランチを終わって「2時には帰ってますよ」
早めに買い物に行って「2時には帰ってますよ」
午後はお休みを取ったので、電車に乗って「2時には帰ってますよ」

一方、Je suis rentré. で始めると、まずわたしが家に帰ってきた場面が浮かびます。

鍵を出して、靴を脱いで、部屋に入るカバンを出して「ふ〜」と一息。
そこで時計を見ると2時なのです。

1時半には家にいないということは明らかなのです。

いまお昼の12時だとすれば、
Dans 2 heures, je suis rentré.
≒ A 2 heures, je suis rentré.
ということですね。

Je suis rentré à 2 heures. は場面に依存しない発言ということになります。
昨日の話でも、 先週の話でもいいわけですね。

「複合過去形」という名前だけで判断をしてしまい「過去にしか使わない」というのは間違った思い込みですし、過去の出来事はすべて「複合過去形」で表される、というのも間違った考え方です。

語順が変われば見える景色が違います。
日本語は語順にあまり解釈において役割をもたせませんが、フランス語において語順というのは、かなり重要な地位を占めます。

訳ではなく「景色」で解釈できるようになりたいものです。

ご参考まで

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?