物語を作るプロでありたい
全てのプロになることはできないのだ、ということが、たまにものすごく悲しい。
うそ。別に野球選手にはなりたくない。
でも、自分の興味だけでもやりきれない数あるのに、一つやれて御の字。どんな天才でも二刀流くらいが限界だと思う。
それはすごく悲しくて悔しいけれど、じゃあ何を選ぶのかというと、わたしは絶対に、「物語を作るプロになりたい」。
その気持ちをずっと持っていたから、出版業界に入って9年目。物語を作る日々を送っている。でも、プロってなんなのか、というのはすごく難しい。特にこの業界は自己評価しづらい業態で、あくまですごいのは作家なのだ。わたしもずっと思っている。すごいのは作家。編集者はクリエイティブ気取りすると叩かれるのに、どこかでクリエイティブになりたい人が多いというこじらせ業界だと思う。偏見だけど、例えば広告業界だったらもっと、「クリエイティブ」と言いやすそうで、たまにちょっと羨ましい(部署名や役職名だったりするし。…テレビやラジオってどうなのかな)。
そんなこんなで、物語を作ってるのは作家だろうよ、というところはありつつも、それを手伝っている身としての視点や蓄積もいくらかはあって、「物語」という現象を見ている感覚がある。それは書き手とは明確に違う目線だ。そこにおいては、作家とは別のジャンルで、プロだと言っていきたいなと思う、言わなかったら、お世話になってる作家さんにも失礼だし。(でも、歴戦の先輩方の目線が怖い)
そして、物語という現象があまりにも面白いので、ずっとずっと浸かっていたくて、物語を書く人がわたしの周りに集まってくれて、わたしが少しずつそこで見えているものをお返しできたらいいのにな、と思っている。できれば24時間そうしていたい。名の知れてる編集長とかでもないからなんとも頼りないだろうけど、私利私欲でよければ、もっともっといろんな物語を見せてほしい。
それには、自分が会社名とかレーベル名とか出さなくても見せたいって思ってもらえる人にならなきゃいけないけど、そのためには個人として知られる必要があって、それには「編集長」とか「○○担当」みたいな肩書きからの出発が鉄板だったりして、じゃなかったらインターネットで何か実演していく!? って言ってもそれには原本がないと…………なんて感じで本当に超〜〜〜難しいな!😂って思うのだけど、ちょっと方法を考えていきたい。だって漫画編集部になったらもう小説作れない人生とか嫌だもん! 小説もやりたいよ!(ジタバタ) 同人誌でも作ればいいのかな! でも同人誌に編集者の需要ってある!?
と、どんどん話がずれていってしまったけれど、とにかく、プロでありたいなと思う。編集者になった瞬間からプロでいなければならないと思うから、もうプロだと名乗っていく覚悟なのだけど、それでももっとすごい人はいるし、まだまだ未経験のことが多いし、だけども、あぐらをかかないで、そして飽きないで、ずっとプロでありたいなと思う。超幸運にも物語ってものは全く飽きる気配なく面白すぎるので、一生生業にしていきたい。R-指定さんを見習います。好き。
コロナで外出できなくなって、時間はあってもやる気が起きなかったりして、ちょっと疲労感があったりしても、仕事、というか、物語のことを考えるといつでも秒で生き返れるので、ああ好きなことを仕事にしてよかったなと思う。仕事じゃなくて、ライフワーク、あ、やっぱ生業、と同じことを話してしまった。誰か物語を一緒に作ろうよ。
読んでくださってありがとうございます!あまくておいしいものか、すてきな本を探しにゆきます。