【受講生インタビュー】共感力がマネジメントにもたらした変革
この記事では、Managing Complexity受講者の声をご紹介しています。
今回ご紹介するのは、海洋開発事業会社で海外拠点のマネジメントをされている栗田さんです。
受講生インタビュー:2024年受講修了 海洋開発事業会社 海外拠点 栗田さん
予想を裏切られた、反転学習の妙。
―――マネジメントの課題はどういった点に感じていましたか?
栗田:シンガポールで90名の部下を持つマネージャー(MGR)になってから2年がたちますが、常に悩んでいたのは「自分が他人にどのように影響を与えられるか」という点です。放っておいた方がうまくいったりすることもありますし…笑。視点や関心事が異なる人たちと、どうやって同じ方向を向くか。自分たちの理想を実現したいときに、誰にどのようにアプローチすればいいか、という点に答えを求めていました。
―――Managing Complexityの印象について聞かせてください。
栗田:良い意味で予想を裏切られました。一般的な研修は、座学で既にどこかで聞いたことがあるような内容を学び、なんとなく知識を得た気分になって終わるものが多いです。
しかし、Managing Complexityは自分で学び、考えた結果を持ち寄り、議論し合うという反転学習の形式で進められました。これがとても新鮮でした。自分のケースに当てはめて考え、アウトプットを繰り返すので、知識が使えるレベルにまで定着します。プログラム期間中、毎週土曜の朝にはスターバックスで事前学習をするのがルーティンになりました。事前課題の読み物からも多くの気づきを得られて、楽しかったです。
「共感力」がもたらしたマネジメントの変革
―――10週間のうち、最もインパクトの大きかった学びは何でしょう?
栗田:共感力についてです。自分はよく人間観察をしているので、共感はできていると思っていましたが、周囲からは「共感力がない」と思われていました。プログラムを受けてからは、思っていることを具体的な行動にまで落とし込んで伝えることを意識するようになりました。例えば、自分の守備範囲でないとスルーしていたことでも、相手を助けるために発言したり、時には自分に不利になるかもしれない状況でも声をかけたりしました。合理的な判断とは逆の行動ですが、そうすることで自分のエリアを広げることができるのだと感じました。結果として、以前よりも気持ちよく仕事ができるようになり、自分でも大きな変化を感じています。
―――共感を意識するようになって、ご自身にはどのような変化がありましたか?
栗田:相手をどう動かすかを考える時、「どうせこんな人だよね」と決めつけるのではなく、その人が何を考えているのかを深く意識するようになりました。その上で、関係に時間をかけるのか、優先順位をつけて諦めるのかといった選択が、自分の行動として意図的にできるようになりました。
また、自分や周囲に対しての解像度が上がったことで、答えが出せないことがあるという事実も明確になりました。プログラムでは「やれること」の範囲が提示され、それを理解した上での行動が求められました。答えは出なくても予測はできるので、何が起こりそうかを把握し、何が起こっても対応できるように心構えや環境を準備しておくという姿勢に変わりました。
いい意味で悩みは増えましたが、このポジションには必要な悩みだと思います。この年齢で新しい悩み方を知れたことは意義があると感じています。まさに「複雑性をマネジメントする」ということなのでしょう。
ワークフロー再構築に、ミネルバの学びを活用
―――学びを社内に還元できている点があればお聞かせください。
栗田:最近、会社全体のワークフローを改善するプロジェクトに参加しています。さまざまな関係者の利害が絡み合う中、他部門と協力しながらシステムを分解し、問題点を洗い出しています。授業で学んだ「バイアスの検証」や「パワーダイナミクスを意識した推進」が役立っていると感じています。振り返ってみると、教科書を見返すことなくミネルバで学んだ思考法を再現できており、とてもありがたいです。
また、社内でManaging Complexityを受講しているメンバーが増えれば増えるほど、共通の言語が生まれ、議論がスムーズになると思います。今後も、マネージャーという役職を持つ人には、ぜひこのプログラムを受けてほしいです。
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