地域の特産品を売るために
農村地域のブランディングを考えるときに、その地域のアイコン(目印)になり得るような特産品がすでに存在していれば、ブランディングはかなりやりやすくなります。そのような産品は地域の内外で知名度が高い状態であるので、そこから展開することができるようになります。
すでにそのような特産品がありながら、積極的に販売できない地域が多くあります。それは、ブランドに関する知識と理解が少ないからです。
ブランドとは、その商品なり、サービスを受ける顧客がどのような印象を受けるかという無形の財産です。好ましい印象や感情を抱けば、本来の価値よりも高く評価されることになり、それが価格に反映される場合があります。
これを商品やサービスの送り手が戦略的に実施するのがブランディング(ブランド活動)です。顧客が抱く感情を導くようなマーケティングを行います。商品の良さだけでなく、生産の歴史や生産者の横顔、レストランなどの評価といった総合的な情報を上手に伝えて、購入する際の満足度を高め、人に勧めたいと思ってもらいようにします。場合によっては産地に出かけたいと思ってもらうこともありえます。
これらのブランド活動の成果は直接的に評価することが難しく、結果的に取引先からの引き合いが相次いで出荷量が増えたり、相場の価格が高くなりますが、ブランドを意識的に実施しないと、何故、売上なり出荷量が高くなっているのか理解するのが難しいでしょう。
価格に関しては、相対で送り手が決定できるようであれば、ブランドが存在していることの証拠になります。競合商品に対して優位な価格であれば市場でのブランドが認知されているのでしょう。
できれば、ブランドの価値は送り手である産地がコントロールできる状態が望ましいと思います。
ブランディングはそこまで戦略的に考えて実施すべきです。
には他にはない特産品があるかどうかが重要です。もしそのような
あれば、その産品を磨き上げれば良いし、もしなければ、地域の気候や土壌、文化的なつながりを考えて、戦略的に特産品を作らなければなりません。