広報に必要な”コミュニケーション能力”の正体とは?
求人広告のコピーライター、ITメガベンチャーと広告会社の広報、経営戦略室を経て、今は小さな広報コンサルティング会社の代表をしている松田純子です。広報時代も含めたライター歴はかれこれ17年ほどです。
こちらのnoteでは、企業広報や広報コンサル、ライターの経験を生かして、広報担当者の方に役に立つ情報や読みやすい文章(文書)を書くコツなどをシェアしています。
本日は、松田の考える広報担当者に必要なコミュニケーション能力の正体について書いてみます。
■企業の広報担当者に必要な能力第1位
私は、スタートアップなど向けに「企業の広報部立ち上げ支援」という仕事をしており、一人目の広報担当者さんの採用について相談を受けることがよくあります。そして、各社さんが悩むのは、
と、いうこと。
もちろん、会社や組織の状況によって答えには幅があると思います。
ただし、間違いなく言えることは、「コミュニケーション能力」なくして広報の仕事は務まらないということです。
広報は、社会や顧客、求職者など、さまざまなステークホルダーと自社とのコミュニケーションのハブになる仕事なので、「コミュニケーションは苦手です! (๑><๑)」という人は、少なくとも広報には不向きです。
■「コミュニケーション能力」についての勘違い
ここで、
「なるほど、コミュニケーション能力か!(*`・ω・)ゞ」と思う人のなかには、
このコミュニケーション能力を以下のように捉える人がいます。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓デュルルルルルル(ドラムロール)
もちろん、そうした能力も間違いなく必要ですがそれだけでは”足りない”
というのが現実だと思います。
では、
■「コミュニケーション能力」を3つに分解して解説
松田の15年以上におよぶ企業広報経験、また3年で10社以上に行ってきた広報人材育成、広報部立ち上げ支援の経験から、広報担当者に必要なコミュニケーション能力を以下の「3つ」に分解しました。
前提として、企業の広報担当者さんがコミュニケーションをする代表的な相手、場面を整理すると以下のようになります。
社内向け:
【相手】社長、各事業部長(経営層)、現場社員、広報部の上司 など
【やり取りする内容】プレスリリースを出すなど、広報施策を企画するために必要な情報や協力を社内から”引き出す”実現に向けて”協力を得て実行する” など
※ちなみに、広報の仕事はすべて社内とのコミュニケーションからはじまります。社内とのコミュニケーションは大事!
社外向け:
【相手】メディア関係者、顧客、関係会社、求職者 など
【やりとりする内容】自社の想いや強みなどを伝えて”理解・共感してもらう”その上で"目的を(取材、協同etc.)を実現に導く" など
上記を踏まえると、
実は、広報担当者が行うコミュニケーションが決して
ことが、よく分かります。
社長が指示を出して広報が伝書鳩となるだけで、上記のようなことを成し遂げることは不可能です。
むしろ創業したてのスタートアップなどは、
どれだけ積極的に広報側から社内・外に向けて”働きかけられるか”が成否を分けると言えるほどです。
※もし広報が社長などの伝書鳩になっている場合は、まずその状況を見直す必要があるでしょう。
この前提を踏まえて、松田が考えるコミュニケーション能力の正体①②③を説明すると以下の通りです。
「①能動的な連絡能力」
「適切な意思疎通ができる力」と通じる部分がありますが、単に相手に好感を持たれる対応ができる、相手の意図を理解して対応することができるという話ではありません。それらに加えて、目的達成(メディア取材誘致など)のために必要なこと(状況に応じた情報収集&提供など)を能動的に行って適切なやりとりをすることができる能力です。
「②柔軟な交渉力」
これは、より高度に目的達成のために”駆け引き”や”説得”が行える能力です。「事業の重要事項で多忙を極める社長に必要性を説いて、特定の広報施策を実行まで導く」、「メディア側から要望されたが社内的には公開NGの情報を、どこまで公開OKにするか経営陣と掛け合う」「忙しい現場に必要を説いて、中長期的な視点で有効な広報施策への協力を取り付ける」などのイメージです。
「③人間関係の構築力」
抽象的ですが、もっとも難易度の高い能力です。①②の能力を駆使しながら、各ステークホルダーと中長期的に望ましい関係性を構築・維持する力です。会社の代表窓口として責任を持って仕事をする、広報施策一つひとつの成果を追うだけでなく、会社としての「信頼の獲得」にまで繋げられるように仕事をやり遂げる力とも言えるでしょう。
以上、松田が考える、
「広報担当者に必要なコミュニケーション能力の正体」を解説させていただきました。
一言で「コミュニケーション能力」と言っても、広報の仕事で必要となる力を分析するとこのようになると考えます。
新人広報の方やこれから広報担当者を採用しようとしている会社、広報職に就きたいと考えている方などに参考にしていただければ幸いです。
最後におまけ
そして、そのほか、松田が考えるスタートアップの一人目広報が持っていると望ましい資質・経験例についても記載しておきます。
これがすべてではないでしょうし、(松田も含め)これらの資質や経験をすべて持っている人はいない(;゚∀゚)と思いますが、一つの参考としてご覧ください。
お読みいただきありがとうございました! (๑><๑)ノ♡
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