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ソーシャル・スタートアップの注意点
先月にいろんな場所で登壇の機会をいただき、交流会の場所で学生起業家や社会課題解決型スタートアップといったような方々のお話を聞いたときに、ちょっとミスリードもあるなと思ったのであえてこのnoteを書こうと思いました。
ソーシャルグッドは購買の意思決定に影響するのか
結論としては、付加価値がソーシャルグッドだけだと“足りない”と思っています。
「この商品を契約してくれることで、世の中にとってこれだけ良いことに繋がりますよ」というのは、とても大事な発想ではあるのですが、それだけを価値として商品を売ると相手に誤解される結果になってしまいます。
もっと言うと、断られたときに、「これだけソーシャルグッドなことをしているのに契約してくれなかった」と相手を批判してしまうのは最悪なのでやめましょう。
まずはソーシャルグッドは一旦抜きにした上で、世の中からのニーズがあって価値ある商品やサービスを作る努力をしっかりとして欲しいです。
僕自身もスペシャルラーニングを立ち上げるときは、「知的障がい者への虐待を無くしたい」と思ってeラーニングを開発していましたが、サービス自体には価値が無いところからのスタートでした。(具体的な話は別のnoteにまとめていますので良ければご覧ください)
僕の経験談をさらっとお伝えすると、最初はサービスに価値を見出すのがとても難しかったので、「今はサービスに価値がないかもしれませんが、こんな世界を実現したいので応援してください」という、素直に身近な人に頼ることを重ねていきました。
次第に人やお金が集まるようになっていき、顧客層も「志村を応援するから契約するよ」という層から「スペシャルラーニングは良いサービスだから契約します」という層に変わっていきました。時間をかけてサービスを磨き続けることで価値が付いていったようなイメージです。
もし、当時の僕がソーシャルグッドの一点推しで、価値がないものに価値があると頑なに言い続けていたら、今のサービスは立ち上がっていなかったと思います。
大事にして欲しい「心得」
社会課題解決型スタートアップは、わかりやすい社会課題の解決をしているだけであって、世の中の会社のほとんどは雇用を生み出したり、なんらかの形で社会の課題を解決してるという前提をわきまえること。
これは僕が日頃から心がけていることなのですが、この姿勢がとても大事だと思っています。
ソーシャルグッドを強く推して提案することは、「御社は社会の課題を解決していない会社ですよね」という前提で提案しているようなものです。
相手へのリスペクトを持った上で、自分の原体験や自分が見ている社会課題、それを解決するためのロードマップの話をしながら共感いただけるように対話することが大切です。
稼ぐことと社会課題を解決する両輪を回すこと
いわゆる“自分が贅沢しなければ生活できる水準”で自分の人件費などの原価を考えずに安い値段で世の中にとって良いことだけをしていると、自己資金を削ったりアルバイトをしながらの活動になるので、2年くらいが限界のような気がします。
リーンオンミーは創業から10年経つのですが、2年くらいで撤退していった会社をたくさん見てきました。
撤退自体が悪いことではないのですが、お客様に迷惑をかけてしまう結果になると残念な気持ちになります。僕たちが展開している「障がいのある方の生きづらさを解消する」といった事業領域では、それが如実に出やすいです。障がいのある方に対して実力以上の期待をさせてしまうことで、できなかったときの失望が大きいですし、それが理由で撤退のしづらさもあって難しいです。
そのため、サービスを開始する時点から「サステナブルにサービスを提供し続けていくための適正価格はいくらなのか?」という定量的な試算をする必要があります。
僕はそこに向き合うことが、本気で社会の課題を解決したいという“強い想い”が反映される部分だと思っています。
このnoteが、ソーシャルビジネスを目指す起業家の一助になれば嬉しいです!
最後に
リーンオンミーでは、社会人インターンを募集しています。リーンオンミーの取り組みに興味のある方は、社長直下のプロジェクトなどに副業で関われるビジネス留学をご利用ください🙏(稼ぐことと社会課題を解決する両輪を回すことについて、リーンオンミーのリアルに触れることができます)
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