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教育現場におけるジェンダーの課題を知り、学生から一歩踏み出そう!松田 悠介氏にインタビュー

Lean In Education Program、スタート!

こんにちは!Lean In TokyoのEducation Program Specialist、りさこです!

女子中高大学生が一歩踏み出すきっかけを作る、コンテンツ企画を担当しています👭

今月から、「教育」「ガールズエンパワメント」をキーワードに、教育界のプロフェッショナルの方々への、インタビュー記事を不定期で掲載していきます🙌

21世紀に生きる、女の子の生きづらさ

あなたは、今の自分自身に満足していますか?

突然こんなことを聞かれると、答えにつまる方も多いかもしれません。

2018年、内閣府は日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン在住の、満 13 歳から満 29 歳までの男女、各国1000人ずつを対象とした「自己認識」の調査結果を集計しました。

このデータによると、「私は自分自身に満足している」と回答した割合は、日本が10.4%、韓国が36.3%、アメリカが57.9%と、他国も含めて最も肯定的な回答が低かった国は、日本でした。

さらに着目していただきたいのは、回答の男女比較。日本の回答者のうち、「私は自分自身に満足している」と回答した男性の割合は13.4% 、一方女性は7.6%でした。

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このジェンダーギャップは、決して、日本に限る現象ではありません。

アメリカのテレビレポーター、Claire Shipman氏とジャーナリスト、Katty Kay氏が同じく2018年に出版した著書、The Confident Code for Girlsでも、アメリカでは思春期に入る13歳ごろから、男の子と女の子の自己肯定感に差が生まれるという、同じようなデータが示されました。

同じ人間として産まれながら、どうして性別によって、このような違いが生まれるのでしょうか?そこには、個性という一言では片付けきれない、環境要因があるのでは、と私は考えています。

そこで、本企画ではどうすれば性別に関係なく、中高大学生達が一歩踏み出せる環境をつくっていけるのか、教育業界のプロフェッショナルの方々に、順次お話をお伺いしていきます!

第一弾は、Lean In Tokyoのアドバイザーを務められる、松田 悠介さんにお話をお伺いしました!👏

Lean In Tokyoアドバイザー・松田 悠介氏のご紹介

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Crimson Education Japan 代表取締役社長
⽇本⼤学を卒業後、体育教師として中学校に勤務。その後 、千葉県市川市教育委員会 教育政策課分析官を経て、PwC Japanにて⼈材戦略に従事。2010年以降、Learning For All や Teach For Japan を創業し、 全国で厳しい状況にいる⼦ども達の教育⽀援を展開。2018年7月にスタンフォード大学の客員研究員に着任し、あわせて日本人のアメリカやイギリスのトップスクールへの留学支援を展開するCrimson Education Japan の代表取締役社長、オンラインのインターナショナルスクール Crimson Global Academy の日本代表に就任する。他に、一般社団法人「教師の日」普及委員会 代表理事、一般社団法人あしなが育英会 理事、認定NPO法人 Teach For Japan 理事、NPO法人 Learning For All の理事、高校生向けインキュベーションプログラムのBLAST! SCHOOLやStanford e-Entrepreneurship を運営している。

日経ビジネス「今年の主役100人」(2014)、世界経済会議(ダボス会議) Global Shapers Community、日本財団の国際フェロー(2017)に選出。文部科学省 中央教育審議会 教員養成部会 委員(2019年~)。ハーバード教育⼤学院 教育リーダーシップ専攻(修士)、スタンフォード経営大学院(修士)。著書に「グーグル、ディズニーよりも働きたい「教室」(ダイヤモンド社)」。

社会と教育における、無意識のバイアス

りさこ:早速ですが、改めてLean Inの想いに共感してくださった経緯をお伺いできますでしょうか?

松田さん:自分がずっと教育事業に関わってきて、あるいはスタンフォードで2年間学んだ中で、どのような書籍や文脈でも、必ず「ダイバーシティー」は一番最初に出てくるキーワード、つまり必要不可欠なものだと思います。

その上で自分がこれまで携わってきた事業は、女性の割合の方が多い集団でした。Teach For Japanも最初は男性が多かったのですが、子供に寄り添ったり、事業を持続可能にしていく過程で、自然と女性が増えていきました。

そういった経験から、多様な観点が溶け合うことでより良いアイディアが生まれることを、体感しています。

そしてダイバーシティーが大前提にも関わらず、性別や性的指向によって制限がかかることは、あってはならないことだと思います。そういった想いから、Lean Inのミッションや活動に共感を抱きました。

りさこ:「ダイバーシティー」は日本でも戦略的に推進しようと努力している企業が、増えてきたかと思います。一方、日本の教育現場では「ダイバーシティー」は足りていると思われますか?

松田さん幼稚園の先生や小学校の教員でいうと、女性の割合の方が圧倒的に多いですよね。そういう意味では、ダイバーシティは足りていないと思います。

中学校になると教員の比率が半々くらいになって、高校になると比較的男性の方が多くなります。(文部科学省の調査によると、2014年時点で幼稚園の先生の女性の割合は約9割、小学校の教員は約6割、中学校の教員が約4割、高校の教員は約2割でした)

学校という教育現場では、そういったインバランスな現状がまだありますが、社会一般でいうと、特に私の領域ではダイバーシティが達成されていると感じます。

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りさこ:高校に上がるにつれて、教員の性別の割合が反転する現象、興味深いですね!ちなみに日本の女性の研究者の割合でいうと、最近では増加現象にあるものの、2017年時点で15.7%とかなり低いです。

昨年、シェリル・サンドバーグさんにお会いした時も、「Lean Inの本を執筆する際、各国のデータを集めたのだけど、日本の女性の雇用やバイアスに関するデータを集めることに本当に苦労した!そもそも女性の研究者が少なくて、、」とおっしゃっていました。

こういった現状から、教育現場にもアンコンシャスバイアスがまだまだ潜伏していると感じますが、松田さん自身は教師・サポーター・メンターという立場、また学生という立場で、ジェンダーに限らずアンコンシャスバイアスに直面されたことはありますか?

松田さん:もちろん、人種という文脈では特に、留学時代は常に直面していました。アメリカに限らず、日本でもどこでも、生活の隅々に浸透していますよね。

でも難しいところが、バイアスが必ずしもネガティブなものばかりではないですよね。関係性によっては、享受されている場合もあると感じます。

例えば食事に行った時に、収入が同じ程度でも、男性が食事代を出すという行為が習慣化されてしまっている場合。そして相手の女性も、その状況に応じている場合。こういった様に、お互いにネガティブに感じている訳ではないケースも実際あると思います。

りさこ:そうですね、むしろアンコンシャスバイアスによって、自らの身を危険から守ることができるケースもありますよね。そういう意味だと、全てのアンコンシャスバイアスが悪いというよりは、誰かが傷つくネガティブバイアスに着目し、解決に導けたら、と思います。

世界に飛び立つ、女の子たち

りさこ:日本に限らず、様々な国で、女の子の方が自己肯定感や効力感が低いというデータがありますが、松田さんのご経験を踏まえてどう思われますか?

松田さん:私のまわりでは、女の子で一歩踏み出している学生が多いですね。Crimson Educationで留学系のイベントを開催しても、女の子の方が多いです。実際、日本学生支援機構が出している留学生のデータをみても、女性の方が多い

私の感覚でいうと、特に高校生・大学生になると、自分からどんどんチャレンジをしたり、リスクを取っていこうとする女子学生が増える印象です。 

新潟の高校生が、Lean Inサークルを立ち上げたきっかけ

りさこ:Blast Schoolにも、ウーマンエンパワメントの分野で活動をスタートさせた女子高校生がいますね。彼女は先日、Lean In High schoolersを立ち上げ、オンラインイベントを開催しました。

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Lean In High schoolersを立ち上げた、新潟の女子高生、高橋 侑珠子さんにもLean Inサークルを立ち上げたきっかけについてお伺いしました。

Lean Inの活動を始める前から、企業や政治において、まだまだ女性が男性と比べ、活躍しにくい現状があることをニュースや知人の話を聞いて、知っていました。

そんな中、高校生になって進路について考え始めた時に、同じ女子校に通っているクラスメート達がとても優秀であるにも関わらず、「私なんて、、」と自信を持っていない姿を見て、そんなことない、みんなもっと自信を持っていいのに!と思う様になりました。

私自身も今海外に留学したいと考えていますが、今からやりたいことに挑戦する時、自信を持って一歩踏み出せたらと思い、Lean Inサークルを立ち上げました。

まさに松田さんがおっしゃるように、一歩踏み出している女子高校生達は、日本にもいるのだな、一緒に頑張ろう!と思いました。

中高生の皆さんへ!一歩踏み出すために、できること

りさこ:最後は中高生の皆さんへ、アドバイスをいただきたいと思います。すでに行動できている中高生、大学生もいる一方、挑戦したいけどまだ一歩踏み出しきれない学生は、どうしたらいいのでしょうか。

松田さん:誰もが最初から行動を起こせる訳じゃないですよね。人間は危険から身を守るために、未知や障害物に遭遇すると、自然と汗が出たり、不安を感じたりするようにできているので、みんな「もじもじ」するのが当たり前だと思います。

且つその不安を感じた時に、前進するためには3つ大事なことがあると思います。

まずは前提知識があること。知らないことが多い状況に対して、人は不安を感じるので、「これをやってみたら、結果こうなるんだろうな」などある程度想定できるようになるような前提知識を得ることは、大事ですよね。

二つ目に、Inspireされるロールモデルを見つけること。こうするといいよ、と背中を押してくれる人がいることによって、チャレンジしやすい状況を作れると思います。失敗してもいいんだよ、大丈夫だよ、と言ってくれる大人が近くにいることで一歩踏み出しやすくなります。

このロールモデルは必ずしも、自分の興味・関心におけるプロフェッショナルでなくても、一緒に調べてくれる思考の伴走者がいることで、行動に繋がっていくと思います。

三つ目は、そうやって蓄えた行動の一つ一つを記録した、トラックレコードがあること。他のことでもいいので、チャレンジしたことがあって、結果大丈夫だったんだという体験を大小関わらず積み重ねていくことで、次のチャレンジで心のハードルが下がるはずです。

本当に不安な人はまず知識とロールモデルを得ることに取り組んでもらい、少しずつ三つ目に繋げていけるといいと思います。

りさこ:松田さん、貴重なお話を本当にありがとうございました!

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✏️Blast Schoolのウェブサイトはこちら

✏️Crimson Educationのウェブサイトはこちら

✏️Crimson Global Academyのウェブサイトはこちら

次回のインタビューもお楽しみに!

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